2014/2/17

  2014年2月17日(月)

(一)独歩高の日本マイクロニクス。
日本マイクロニクス日足
(1)相場全体がやや難解な調整局面を迎えた中で、日本マイクロニクスがチャートの通り緩やかな助走段階から、先週末には独歩高へ踏み出した。
(2)日本マイクロは2014年2月26日〜28日に開催される第五回国際二次電池展バッテリージャパンに、乾電池「バッテナイス」を出展すると発表している。
(3)バッテナイスはきわめて薄いシート状のバッテリーで、将来はそのシートに自動車や飛行機を動かす大容量の電池を搭載することが可能になるという夢のような情報がある。
(4)株価は二次電池展への出展を機に、マイクロニクス自身による具体的な情報開示を期待し、催促しているように見える。
(5)株式市場には「株価は何でも知っている」という格言がある。日本マイクロ株の尻上がりの上昇力から推定すれば、二次電池展出展を機に新たな情報開示が行われる可能性は十二分にある。
(6)私は12月24日付1月27日付クラブ9でも日本マイクロニクスを取り上げているので、併せて参照されたい。
(二)中国人バイヤーが急増するAGCapのリサイクル市場。
AGCap日足

(1)2月13日付朝日新聞(東京)夕刊は、一面トップで「中古買い付け。万来中国人」「日本で本物ブランド品求め」という大見出しを掲げて、中国人バイヤーが大挙して来日し、AGCapが展開するリサイクル店で中古ブランド品を買い付けていると報じている。報道の要旨は以下の通りである。
(2)中古ブランド品の買い付けは常連の中国人がさらに急増している。彼らの目的は転売による利ざや稼ぎである。
(3)バイヤーは何よりも『日本人の鑑定眼を信頼』しており、プロの日本人が鑑定したブランド品を買い付けているのである。
(4)来日するバイヤーにはプロ、アマが入り乱れている。朝日新聞は東京歌舞伎町の中古ブランド品店で中古のエルメスの高級バッグ「バーキン」を買った中国人観光客に直接取材し、「北京へ持ち帰り、利益10%を上乗せして売る」という談話を引き出している。
(5)別の中国人は1年前に買い付けを始め、毎月来日している。今回は新宿、銀座、池袋などの中古ブランド品のリサイクル店をはしごし、高級バッグや高級時計など数千万円分を買い集めたという。
(6)彼らは口をそろえて「日本なら『海賊版』をつかまされない。持ち帰れば確実に買い手がつく」という。
(7)新宿駅東口の「大黒屋新宿本店」では、中国人を中心に外国人に対する売上が5割を超え、さらに増え続けている。
(8)従業員はLINEを駆使して様々なバイヤーの注文に応じる。バイヤーは時計なら数百万円、数千万円をまとめ買いする。
(9)大黒屋の小川浩平社長は「日本ではお目当ての『本物』が確実に入手できる。真贋鑑定に厳しい日本の質店への信頼は高い」と胸を張る。
(10)バイヤーは、日本で鑑定された品を「メード・イン・ジャパン(日本製)」に習って「チェックド・イン・ジャパン(日本で鑑定済み)」と呼んで信頼の証としている。

(三)転売目的とまとめ買い。

(1)日本はバブル期以降、世界有数のブランド品大国となった。その多くが自宅に眠っていたが、最近はリサイクルショップでウリカイすることに抵抗感が薄れた。
(2)バイヤーによるブランド品の大量買い付けが急増したのは1年前からで、円安の進行と一致している。大半は転売目的である。
(3)昨年11月下旬に東京・平和島で行われた質流れ品セールでは、来場者の8割が外国人で、前日から行列ができた。
(4)主催者は「半年に1回開催しているが外国人の比率は高まる一方である。中国人が中心で、最近はタイなど東南アジアからの来日も増えた」という。
(5)中古ブランド品の大手である「ブランドオフ」(金沢市)は昨年末、新宿歌舞伎町店と東口店を2倍超に拡張した。従業員の半分は中国語と英語が堪能である。
(6)ブランドオフはすでに香港、台湾にも進出し、海外で17店を展開している。最近では現地での買い取りを増やし始めた。
(7)ブランドオフの安山社長は「日本で培った鑑定眼は世界中で通用する」と胸を張る。
(8)いち早く人材育成に注力した大黒屋傘下のAGCapに注目したい。

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