(1)野村證券はアイフルのレポートで、1株当たり利益が今期は100円に激増し、その後の5年間も毎年20円幅で増加すると予想している。新しい四季報の早見版も同様の予想である。
(2)「過払い利息を無制限にさかのぼって払い戻せ」とする過酷な最高裁決定を受けて、2年前にはサラ金業界トップの武富士が倒産した。しかし払い戻しがピークを過ぎた昨年後半から上場3社は収益力を急速に回復した。
(3)しかし一方で金融庁が融資金額を年間所得の3分1までと規制したために融資残高の減少傾向が止まらない。
(4)折しも日経は先週、財務省の過剰な融資規制のために中小企業がヤミ金融に走り、ヤクザが資金源を太らせていると指摘した。財務省は修正法案を準備しており、緩和すれば大手3社は売上高でも成長力を回復するだろう。 (5)昨年はプロミスの利益急増を見て親会社の三井住友銀行が買収に踏み切り、株価はTOB価格を上回って1,000円に急騰した。アコムは第3四半期決算で1株利益が前期の赤字268円から268円の黒字へ大転換し、株価は1,000円台から1,700円近くへ急騰した。
(6)しかしアイフルは第3四半期に1株利益が134円の赤字から80円の黒字へ大転換したにもかかわらず、株価は全く反応していない。
(7)推定される理由は次のごとくだろう。第1に、アイフルはプロミスやアコムのようなメーンバンクを持たない。第2に、公認会計士が2,000億円の事業再生ADRの返済計画に不安があるとして限定意見を付している。第3に、出所不明の大量の浮動株が株価を圧迫している。第4に、オーナー創業社長の福田氏が自主独立経営に固執している。
(8)しかしこれらのマイナス条件は福田社長がメーンバンクを受け入れさえすれば、一挙に解消する。独立独歩をめざす福田社長といえども一昨年にはサラ金業界の厳しい冬の時代を経験した。一方、大手銀行も金余りに直面して優良融資先を求めており、融資実績を持つ住友信託や大手のみずほ銀行はメーンバンク入りと2,000億円の融資肩代わりを狙っているだろう。
(9)そうなれば今期予想1株利益100円のプロミスは最低でもPER5倍、500円に大化けするだろう。
(10)これほど大きな可能性をはらんだ銘柄は滅多に現れない。その可能性に賭けてみる価値は十二分にあると私は思う。
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