2012/2/27

  2012年2月27日(月)
  I。アイフル。超割安の修正なるか。
  II。円安急進で、大幅増額修正期待の任天堂、島精機。
  III。取り組み妙味の新日本理化とMUTOH。
  IV。今週のKYO-ONNA。

 I。アイフル。超割安の修正なるか。
アイフル日足

(1)アイフルは2月10日に発表した第3四半期決算で、1株利益が前期の赤字141円から今期は黒字80円へ、大逆転した(2月13日付クラブ9参照)。
(2)チャートの通り、決算発表を受けて株価は154円まで急進したが、その後は130円台前半で低迷していた。
(3)アイフル自身は通期の利益予想を出さなかったが、私は通期の1株利益を100円と予想し、超割安の修正は必至だろうと述べた。そして先週末にようやく153円に上昇した。
(4)それでもPER(株価収益率)は依然として1.5倍に過ぎない。もしアコム並みにPER6倍まで買えば600円となる。
(5)株価がこれまで安値に放置されて来た最大の理由は需給関係だろう。四季報記載の浮動株比率はわずか4.9%で600万株に過ぎないが、信用取引の残高は1,670万株に達し、出所不明の浮動株が市場にあふれて、株価を圧迫している。
(6)しかし直近では株式市場の出来高が急増し、浮動株をこなしうる環境が整ったから、一旦株価の修正高が始まれば意外高に転じる可能性がある。

 II。円安急進で、大幅増額修正期待の任天堂、島精機。

(1)輸出比率83%の任天堂はここ数年間、日本の輸出関連株の中でも最大の円高被害企業であった。
(2)任天堂にはもう一点円高に弱い体質がある。任天堂自身は設備を待たず、部品から製品まで、生産がすべて外注だから利益率が高い。その潤沢な利益を毎年ドル建てのキャッシュで積み上げてきた。かりに今期末の持ち高を30億ドル(2,700億円)と見れば、10%の円高で270億円の減益要因となる。
(3)しかし2月に日銀が「インフレ目標1%」を政策目標に掲げるとドル円相場が一気に91円台に急落した。このまま3月末を迎えれば、270億円の減益要因が270億円の増益要因へ逆転する。
(4)低迷していた売上高についても2月21日付日経は「携帯型ゲーム機『ニンテンドー3DS』の国内販売数が19日時点で5,000万台を超えて最速記録を更新した」、「小売価格を1万円値下げしたこと、『スーパーマリオ3Dランド』など優良ソフトの投入が相次いだことが寄与した」、と報じている。
(5)任天堂は相次ぐ好材料を受けてじり高に転じていたが、3月末の為替相場次第では大幅高もある。
(6)任天堂に次いで為替相場の影響を受けやすい上場企業は島精機だろう。内部留保、売掛債権ともユーロ建てである。直近のユーロ円はドル円よりも下落幅が大きい。
(7)任天堂と島精機は共にオーナー創業者が健在で、為替政策は頑固一徹である。円転換はおろか、ヘッジすることも拒否しており、その頑固さが今期は久々に「吉」と出るだろう。

 III。取り組み妙味の新日本理化とMUTOH。
新日本理化

MUTOHホールディングス

(1)新日本理化は株不足が常態化して仕手戦が長期化しつつある。株価もまた上昇傾向を維持する可能性が高い。
(2)MUTOHは短期間に大取り組みを形成した。株価は急騰、急落を演じた後、先週には半値戻りを達成した。取り組みの厚さと株価の振幅の激しさから推定して、新値挑戦もあり得るのではないか。

 IV。今週のKYO-ONNA。

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