2012/2/20

  2012年2月20日(月)
  I。海洋開発関連3社。メタンハイドレート開発に着手。
  II。新日本理化。加藤氏の指標銘柄。
  III。オリンパス。保ち合いが煮詰まる。
  IV。今週もKYO-ONNAをお楽しみ下さい。

 I。海洋開発関連3社。メタンハイドレート開発に着手。

(1)経産省は先週、メタンハイドレート開発に着手したと発表した。
(2)日本近海には天然ガス換算で100年分を超えるメタンハイドレートの埋蔵量が確認されており、日本が産油国に大変身する可能性が生まれた。
(3)間もなくプラットホーム上のボーリング作業をテレビ各局がリアルタイムで中継するだろう。
(4)海洋開発は日本企業の独壇場である。世界の海洋学者がプラットフォーム上で開発状況を視察していると思われる。
(5)三井海洋開発、日本海洋掘削、三井造船の株価に再度注目したい。詳細は2月6日付クラブ9を参照されたい。

 II。新日本理化。加藤氏の指標銘柄。
新日本理化
オリンパス

(1)加藤あきら氏に関する情報は錯綜しているが、例えば「勇気の1月、希望の2月、3月に新天地」という文学的表現が見える。
(2)今回の上昇相場の突破口を開いた加藤氏の指標銘柄である新日本理化が先週末に二段上げを目指す動きを鮮明にした。
(3)加藤氏の言葉に注目した投資家は、新日本理化が「希望の2月」から「新天地の3月」を目指して1,000円大台乗せを果たすと理解しただろう。これに対して弱気派は追撃売りの好機と見、買い方の一部は利食いの好機と見ただろう。
(4)加藤氏の表現が文学的であるゆえに発言の理解の仕方は多様となり、新日本理化は仕手性を強めている。
(5)理解の仕方が多様であっても,加藤ファンの新日本理化に対する強気は共通しているから、大台変わりは時間の問題だろう。
(6)後述するオリンパスも大取り組みを形成して仕手相場に発展したが、本来は正統派の優良株で、粉飾決算という異常事件がなければ大きな空売りは入るはずがなかった。これに対して新日本理化は初めから業績を無視して買い上がり、これをとがめる弱気筋の空売りを誘い込んで,意図的に仕手戦に持ち込む作戦を展開している。
(7)いずれにしても仕手株は仕手戦によって雌雄を決するだろう。

 III。オリンパス。保ち合いが煮詰まる。
(一)野村證券の責任を問う。

(1)オリンパスの取締役と元野村證券社員が逮捕された。しかし私は野村證券のノルマ体質にメスを入れなければ、真相は究明できないと思う。
(2)バブル最盛期に田淵節也氏は野村證券会長として3,000億円の利益を計上し、証券界のドンと賞賛されたが、私は1990年に「『円』世界制覇の秘密」(講談社)を出版し、田淵会長のノルマ主義を正面から批判した。
(3)田淵会長はセブンイレブン(朝7時から晩11時まで)の厳しいノルマ営業を自慢していた。私は「欧米では証券業務は知的能力を競うビジネスであるが、田淵氏は日本の証券業務を肉体労働に変えてしまった。社員はノルマ営業に追い立てられて考える閑がない。田淵氏は日本の証券業界を誤らせている」と批判したのである。
(4)1990年にバブルが崩壊すると、一任勘定による資金運用が破たんし、大手証券各社の法人担当役員とスタッフの引責辞任が続出した。
(5)ところがオリンパスの財務担当者は当然野村證券が負うべき運用責任を押しつけられたばかりか、決算粉飾を指導された上に、高額の手数料まで支払った。財務担当役員の過ちは「盗人に追銭」を支払った「人柄の甘さ」にある。オリンパスが汚名を挽回する道は、野村證券を告発して事件発生の事実を明らかにする以外にないだろう。
(6)ちなみに私はバブル最盛期に和光証券大阪支店常務として法人部門を担当していたが、一任勘定による資金運用を禁じていたから大阪支店では紛争も犠牲者も出なかった。よって私にはオリンパス事件の真相を推定する資格がある。

(二)決算と株価。

(1)チャート上は長期の保ち合いが煮詰まっている。日足では2月8日に一目均衡表が雲の上に出ている。週足の上放れも近いだろう。
(2)先週の決算発表で、オリンパスの通期予想はカメラ部門の減損処理と繰り延べ税金資産の取り崩しで320億円の赤字となったが、実力を示す営業利益は660億円の黒字であった。日本のハイテクを代表する電機、自動車が軒並みに巨額の赤字を計上した中での黒字決算は、オリンパスの傑出した競争力を証明している。
(3)3月にオリンパスは1,000億円の優先株を発行し、優先株を取得した企業が社長を出すと報じられている。1,000億円を出資すれば筆頭株主となるから経営権を握るのは当然だろう。そのため誰が優先株を取得するか、取得争いで転換株価がどこまで跳ね上がるか、が材料視されるだろう。

 IV。今週もKYO-ONNAをお楽しみ下さい。
 今週の京女

(1)詩と歌と映像で構成した「わが回想の京女」は山本清治とCGスタジオKYASが2年の歳月を投入した力作です。
(2)「わが回想の京女」は観光京都を世界にアピールするために、日本語バージョンと英語バージョンを制作し、3月に世界に向けて発売する予定です。
(3)発売を控えて、華麗な詩と歌と映像のドラマを新サイト「KYO-ONNA」で公開しています。
(4)ご意見、ご感想をお寄せ下さい。

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