2010/6/21

  2010年6月21日(月)

(一)相場観。ヘッジファンド敗退で株式相場は上昇軌道に回帰。

(1)EC16ヶ国で構成するECB中央銀行が90兆円の資金を動員してヘッジファンドの「ユーロ債」売り、「ユーロ売り」を阻止し、撃退した。
(2)クラブ9は両陣営の攻防の経過を、結果論ではなく、あたかも見てきたように、リアルに予測した。
(3)「大戦争と大相場は常に同じ経過をたどって進行し、大逆転で終わる」という私の主張を、前回のクラブ9で再確認されたい。

(二)日本風力開発の驚異的な業績拡大。

(1)表は6月16日付け日本風力発電の決算短信である。

 【 業 績 】 日本風力開発〔2766〕
 
売上高
営業利益
経常利益
利 益
1株利益(円)
09/3 
7,198 
2,966 
2,201 
831 
6,799 
10/3 
5,112 
▲784 
▲2,092 
▲2,278 
▲16,900 
11/3予
38,000 
8,000 
6,000 
4,500 
29,981 
単位:百万円 

(2)同社は10年3月期の決算で見解が対立した「新日本監査法人」を解任したために、正規の決算発表が期日に間に合わず、東証が管理銘柄に指定した。
(3)しかし後任の「やよい監査法人」が会社案に同意すれば管理銘柄から外れる。
(4)私は、投資家が管理銘柄入りと株価暴落に目を奪われて、今期業績の爆発的拡大を見落している点に注意を促したい。
(5)表の赤枠を注目されたい。今期はタイ発電所の開発等が寄与して、空前の大幅増収増益となる。にもかかわらず株価が暴落したために今期予想1株利益「3万円」に対するPERはわずか「2倍強」に下落した。あまりにも割安である。
(6)私は念を押して確認したが、IR担当者は決算予想に自信を示した。管理銘柄のリスクはあるが、リスクが取れる投資家には買いの好機だと思う。

(三)中国市場進出の日機装。

(1)人工腎臓トップの同社は中国で人工透析装置の合弁会社を設立し、市場シェア40%取得を目指す。
(2)中国の透析患者は現在は10万人であるが潜在患者数は150万人で、高度医療の普及につれて急増が見込まれる。ちなみに日本の透析患者は30万人、欧米は300万人である。
(3)今期の予想一株当たり利益は52円。チャートは保ち合い上放れが近いと見える。
(4)日医工、沢井製薬等、後発医薬品各社の人気に追随する可能性がある。

(四)受注急回復の野村マイクロ。

(1)韓国、台湾、中国の液晶・半導体工場向け超純水製造装置で独占的シェアを持つ。
(2)特にサムスンが液晶、半導体に1.8兆円の設備投資を表明しており、今期64円、来期84円の1株当たり予想利益は増額修正が期待できる。
(3)業績急回復で株価の割安が鮮明である。

(五)日本ケミカルが、カラーで全面広告。

(1)日本ケミカルが6月20日付毎日新聞に、カラーで1面全面広告を出した。大型の新薬開発に成功した自信が感じられるので、広告コピーをそのまま紹介したい。
(2)大見出し:「新たな生産体制と『バイオベター』で世界へ」。
(3)補助見出し:「バイオ技術で新しい未来を」。「最先端の遺伝子組み換え技術を軸にした研究開発領域において、完全無血清培養など独自の技術を培い、バイオ医薬品の開発から製造・販売までを担える日本でも数少ない企業です」。
(4)中見出し:「神戸工場新棟が竣工、年末には本格稼働予定」。
(5)小見出し:「多面的な提携で世界へ」。「希少疾病用医薬品の研究、開発」。「効率的な多品種生産が可能な生産体制目指す」。