2014/3/17

  2014年3月17日(月)

 I。梅は咲いたが、桜はまだかいな。
 「梅の花が咲いたら、にわかに気持ちが華やいで、春本番の桜を待ちわびる」という都々逸のセリフがある。
 今年80歳になったばかりの私よりもひと世代上の人たちには、まだ歌謡曲よりも都々逸が、バーよりもお座敷遊びが、主流であった。間もなく歌謡曲が都々逸を、バーがお座敷を圧倒した。三味線がギターに変わり、歌のセリフから季節感が消えた。
 II。願わくは 花の下にて春死なむ
    そのきさらぎの もちつきのころ

(1)上のふすま絵は、私が最も敬愛する歌人西行の一首をモチーフとして、「アートスタジオ・KYAS」が制作し、拙宅(山本清治)の和室を飾っている。書は親しい皆川茂實氏にお願いした。
(2)西行は20歳代で前掲の和歌を詠み、その和歌の通り、73歳で、満月の夜、大阪弘川寺の、満開の桜の花の下で入寂した。
(3)花の歌人・西行が20歳代の若い日に自ら和歌に詠んだ通りに過ごし、迎えた生涯の終りは、当時の都人の大きな感動を呼んだ。即座に「西行物語絵巻」が出版されて、ベストセラーとなった。
(4)さて、今年も花の季節がめぐってきた。
(5)春は、とりわけ満開の桜は、四季を通して日本人の心を最も華やかにする季節である。
(6)景気と株価の華やぎをも期待したい。