2013/10/21

  2013年10月21日(月)
  ニューフェースながら
  市場人気を牽引するN・フィールド。

N・フィールド日足
(1)N・フィールドの騰勢が止まらない。
(2)クラブ9は9月24日にも掲載したので、前回のコメントを末尾に再録した。併せてご参照頂きたい。
(3)前回に私は上場直後のために出来高が薄く、値動きが荒い点に注意が必要と述べた。
(4)四季報にはオーナー社長の野口氏以外の大株主名が記載されていない。
(5)そこで先週末にN・フィールドに上場後に出現したと思われる大株主名を問い合わせた。その結果、直近の大株主上5人は次の通りであった。
1位
 野口和輝
450,000株 
2位
 フィディリティー
110,900株 
3位
 アンダーソン毛利
88,500株 
4位
 J・P・モルガン
87,200株 
5位
 日興アセット
64,200株 
(6)N・フィールドは発行株式数125万株の小型株である。野口社長の45万株を含む上位5人の持ち株は合計80万株である。2〜5位の株主が上場直後から35万株を買い集めており、これが株価急伸の背景であったと見られる。
(7)この80万株を安定株主と見れば、浮動株は45万株となる。
(8)N・フィールドは先行投資に伴う赤字決算が続いていたが、今回の公募と第3者割り当て増資によって自己資金4.8億円を調達した。今12月決算で初の黒字転換が予想される。
(9)今後の株価については、次の3点が注目点となるだろう。
   a 2〜4位の大株主の一角から利食い売りが出て反落するか。
   b このまま12,000円台の高値更新に挑戦するか。
   c 一旦は急進後の調整、値固めに入るか。
(10)ただし、以上は需給関係のみから見た分析で、業績や材料面での変動要因は予想の範囲外である。
 クラブ9・Q&A 9月24日付 再録
 N・フィールドが挑戦する精神疾患市場。

(1)日本の精神疾患の患者数(厚生省調べ)は平成23年現在で320万人に上る。精神疾患はうつ病、統合失調症、不安障害、認知症などを含んでおり、近年はうつ病、認知症が増加している。
(2)厚労省は現在の病床数35万人を今後28万人へ、7万人の削減計画を進めているから、7万人を肩代わりする民間の訪問介護市場が新たに出現する。
(3)看護師出身の野口氏が2003年に設立したN・フィールドは、14の店舗を拠点に、200人のナースが2,500人の患者を訪問看護している。
(4)夜勤を避けたい看護師にとっては午前9時から午後5時までという定時の訪問介護には魅力があり、市場拡大に対応した看護師の募集が順調に進むと見込まれる。
(5)前期までは出店の先行費用のため大幅な赤字決算が続いていたが、今期は株式公開に伴う資金調達によって自己資金も確保した。業容の拡大によって営業収支の黒字転換も可能だろう。
(6)現在は類似会社がないから、人材育成が順調に進めば事業所数を増やし、業容を拡大する好機である。
(7)上場直後にしては出来高が薄く、値動きが荒い点には注意が必要だろう。