2013/9/9

  2013年9月9日(月)
  祝・東京オリンピック開催決定。
  アベノミクス・第4の矢が始動。

 自民党に筋金を入れた安倍総理のルーツ。

 私の大学生時代には、岸内閣の「日米安全保障条約」締結に反対する学生デモが国会を十重二重に取り巻き、賛否の世論が沸騰して日本国中が騒然としていた。岸首相は第二次世界大戦中に東条内閣の閣僚であったから、左翼思想が盛んとなった戦後日本の安保闘争ではなおさら学生たちの憎悪を浴びた。
 国会議事堂周辺は防衛する警官隊と攻め寄せるデモ隊が入り乱れて騒然としていた。中でも双方が激しくもみ合う中で東大生の樺美智子が死亡したときには、憤激した学生の安保闘争が過激化し、混乱は頂点に達した。
 しかしその間、岸首相は全く動じることなく、粛々として国会審議を進めた。沸騰する安保反対の学生運動を退けて締結した日米安全保障条約こそ、日本が敗戦の廃墟から抜け出し、奇跡の経済発展に踏み出すための基盤となったのである。
 岸首相の親米路線を受け継いだ佐藤内閣の佐藤首相は岸総理の実弟である。
 そしていま日本の安倍首相は、安保闘争がもっとも激化した時代の岸首相、佐藤首相の孫である。さらに遡れば、岸、佐藤両首相は吉田松陰の門下生であった長州藩士の遺伝子を濃厚に受け継いでいる。 
 倒幕の旗を掲げた吉田松陰は志半ばで獄死したが、門弟から明治維新を断行した志士たちが輩出した。中でも高杉晋作は騎兵隊を創始して一直線に倒幕の先陣を切った。高杉自身は明治維新を見届けることなく病没したが、長州藩(現山口県)は明治新政府の大臣を輩出し、近代日本の礎を築いた。
 さて私たちが毎日マスコミで見聞している安倍首相は、柔和な表情と物腰からは想像しにくいほど行動力が迅速で、決断力に迷いを見せない。それらの特性は私が大好きな長州藩士・高杉晋作を彷彿(ほうふつ)とさせる。
 高杉晋作は私が好きな辞世の句を残している。
  <おもしろきこともなき世をおもしろく。>
 また高杉晋作が常時口ずさんでいた都々逸(どどいつ)も飄逸(ひょういつ)である。
  <三千世界の烏を殺し、主(ぬし)と添い寝がしてみたい。>