(1)7〜8月には内外機関投資家のファンドマネージャーが集中的に暑中休暇を取るために、サマーラリー(夏相場)は不発に終わりやすい。
(2)その代わりに問答無用の仕手株が人気を集めやすい。
(3)今回は短期、中期、長期のチャートがそろって上放れた新日本理化を仕手株の本命と見て注目株に取り上げた。冒頭に掲載した日足(短期)、週足(中期)、月足(長期)のチャートを参照されたい。
(4)特に月足チャートでは、2012年3月に高値1,297円に達する大相場を記録している。この時、主役を演じて名を上げたのは加藤アキラ氏であった。
(5)私は加藤氏の動向を探ってみたが、今回は支持者の間で候補銘柄がいくつかに割れており、往年の結束力が失われているように見える。
(6)一方、仕手株や仕手相場に批判的な取引所は、8月13日にいち早く新日本理化に規制をかけた。
(7)規制の内容は、1. 新規の空売り禁止、2. 現引きの禁止、の2点であった。
(8)今回は,取引所が異例の早期介入に踏み切ったから、逆日歩責めによる仕手戦が期待しにくくなったように見えるが、一方では取引所が独自に情報を集めて仕手株と認定したとも読める。
(9)仕手筋がらみとすれば予想外の仕掛けや手法を繰り出す可能性がある。
(10)ちなみに8月15日現在の日証金売残は次の通りである。
日証金売残
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532,600株
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日証金買残
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1,414,800株
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貸借倍率
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2.65倍
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(11)8月9日現在の3市場合計の取り組みは次の通りである。
3市場合計売残
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2,068,300株
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3市場合計買残
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4,068,000株
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貸借倍率
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1.97倍
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(12)私は次の点で新日本理化の仕手戦がスタートしたと思う。第1に、株不足とはなっていないが、信用取引の取り組みが厚みを増している。第2に、夏枯れの株式市場にあって出来高の集中傾向が見える。第3に、チャートの保ち合い上放れが鮮明で、独歩高の様相を呈している。
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