2013/8/5

  2013年8月5日(月)

(一)臓器工場の実用化で新日本科学〔2395〕に出番。

(1)8月4日付日経は「政府は動物の胚(受精卵)とiPSを用いて人間の臓器を作成する研究にゴーサインを出した」と報じている。
(2)1. 先ず遺伝子操作で特定の臓器をできなくしたブタの受精卵を胚に育て、2. 人のiPS細胞集合胚を作る。3. これをブタの子宮に戻すと人間の臓器を持ったブタが生まれる。4. このブタを育てた後に臓器を取り出し、5. 患者に移植する。
(3)ブタを用いた「臓器工場」はすでに実用化に向かっているが、安全性や倫理面で大きな問題が残る。
(4)例えば、もし人の脳を持ったブタが生まれたらヒトとして扱うのか、といった議論が尽きない。
(5)それでも動物を用いた臓器工場の研究は拡大発展するだろう。
(6)そうなると新日本科学が存在感を増すと思われる。
(7)「臨床試験」は人間を用いたテストであるが、「臨床試験」に入る前に必ず動物を用いた試験を行わなくてはならない。これが「前臨床」試験である。臨床試験にはリスクが伴うから、先ず動物を用いた「前臨床」をクリアしなければ、本番の臨床試験に進めない。
(8)新日本科学は日本で動物を用いた前臨床を受託している唯一の企業である。
(9)臓器工場の実用化が進めば、動物を用いた前臨床と、前臨床に付随する研究開発の委託が急増すると思われる。
(10)臓器工場の実用化は新日本科学の「前臨床」と「臨床試験」に対して新たに大きな需要を誘発するだろう。

(二)DDS〔3782〕の生体認証。

(1)8月4日付け日経ヴェリタスが「手のひらがキャッシュカードに」の見出しで生体認証市場の有望性を報じている。
(2)生体認証には四つの代表的指標がある。1. 顔、2. 静脈、3. 指紋、4. 虹彩、である。
(3)これまで生体認証は警備や防犯などのセキュリティー対策に用いられてきたが、情報技術の発展やビッグデータの普及につれて生活を便利にする技術に生かす動きが進行している。
(4)DDSのノウハウは指紋認証に始まったが、その市場も急拡大する可能性が開けてきた。

(三)橋下市長の「遊郭」発言について。

(1)大阪の橋下市長が「遊郭」という言葉を発した途端に、内外のマスコミが一斉に「橋下市長はセックス・スレイブ(性の奴隷)を容認した」と大騒ぎした。中でも朝日新聞が熱心であった。
(2)「遊郭」と聞いて「セックス・スレイブ」を連想した日本人は「遊郭」で遊んだ経験がない朝日新聞の記者くらいだろう。遊郭の女性といえども自立しており、私は「奴隷」の暗さなんて感じたことがなかった。しかし優等生を集めた朝日新聞社には遊郭に通うような不埒(ふらち)な社員はいなかったから、遊郭の女性がどんなものかを知らなかったのだろう。
(3)遊郭に通った経験を持つ人で、遊郭の女性を「セックス・スレイブ」と思った人は皆無だろう。奴隷の遊女を抱いても楽しいはずがない。
(4)アメリカでは南北戦争で南軍が敗北するまで、黒人を奴隷として使役する制度があったが、そのアメリカでも女性が奴隷として扱われたことはない。
(5)日本には古くから遊郭があり、元禄時代(1688〜1724)にもっとも隆盛をきわめた。遊郭は楽しいから繁盛したのであって、女性を「性の奴隷」と見た記述を私は知らない。
(6)奇怪にも、橋下市長は日本に存在したことがない「セックス・スレイブ」という虚構によって批判されたことになる。
(7)日本と日本人の名誉を守るために、「性の奴隷」報道に群がったマスコミは日本に「性の奴隷」がいたことを証明する責任がある。