2013/7/29

  2013年7月29日(月)
  収益構造が劇的に進化した日本ケミカル。

JCR日足
(一)収益構造が劇的に進化。

(1)日本ケミカルはクラブ9の掲載頻度が最も高い推奨銘柄である。
(2)私は日本ケミカルの傑出した成長力、技術力、収益力、経営力が過小評価されていると思って永年推奨銘柄に上げてきたが、26日発表の第1四半期決算は、実績、予想とも私の期待をはるかに超える大増収、大増益であった。
(3)第1に、売上高は7%増収ながら、営業利益2.3倍、経常利益2.4倍、純利益3倍という、記録的な大幅増益を達成した。
(4)第2に、通期予想でも営業利益27%、経常利益26%、純利益37%と大幅増益を予想しているが、第1四半期の変化率から見て増額修正が十二分に期待できる。
(5)これまで日本ケミカルの業績予想は常に保守的であったが、今回は期首に芦田会長が「前期までは雌伏期、今期が飛躍期」と意気込んでいた通り、すべての指標が大幅に記録を更新した。
(6)芦田会長の自信の背景は世界一厳格なグラクソスタンダードの管理体制構築へ、3年がかりの大転換を完了した点にある。
(7)大転換に着手したきっかけは3年前で、世界第3位の製薬大手・英グラクソが日本の製薬業界で提携先を求めて審査を尽くし、日本ケミカルに白羽の矢を立てた時に始まった。
(8)その後グラクソは一気呵成に日本ケミカルの筆頭大株主となり、全面的な包括提携契約を締結し、新薬開発に惜しみなく資金を投入する一方、グラクソスタンダードの管理システムへ全面的転換を求めたのである。
(9)グラクソスタンダードは世界一厳格な生産管理システムで、その厳しさは日本の厚労省はもちろん、米国のFDA、欧州のEMAの審査基準を大幅に上回っている。
(10)それだけにグラクソスタンダードの威力は抜群で、日本ケミカルのすべての医薬品が世界市場でフリーパスとなった。世界の医療機関の信頼が高まり、全製品の売上高が月を追って増加している。
(11)芦田会長はグラクソスタンダードを構築するために丸3年の歳月を要したが、その苦労が収益力の強化に直結したと語っている。

(二)世界最先端の細胞治療。

(1)7月19日のアジア細胞治療学会で、自治医大・小沢教授が日本ケミカルのMSC細胞治療について講演し、「JR-031」の患者登録を完了したと報告した。
(2)小沢教授は日本ケミカルが開発した細胞治療薬「JR-031」の責任治療医師として、世界最先端の細胞治療を推進している。
(3)また7月25日に、日本ケミカルは神戸工場にセルバンクを設置して新薬の研究開発に使用する細胞の備蓄と管理を開始すると発表した。
(4)新たな株価水準の構築に向けて日本ケミカルの上放れが期待できる。