2013/7/16

  2013年7月16日(火)
  加藤あきら氏が日本カーバイドに出動か。

日本カーバイド工業

(1)仕手集団「盤若の会」を率いる加藤あきら氏が直近のホームページ「時々の鐘の音」で東西取引所の合併を記念する新しい仕手銘柄の出現を予告したという噂がある。
(2)是川銀蔵氏亡き後、仕手人気、仕手相場に大きな影響力を維持し続けている相場師は加藤氏が随一、というよりも唯一だろう。加藤氏は最後の大物仕手筋となる可能性がある。
(3)あたかも源平時代に敵味方を代表して「ヤアヤア我こそは」と名乗りを上げた鎧武者が満場注視のうちに一騎打ちを演じたように、株式市場で売り方と買い方が敵味方に分かれて争う仕手戦は、古い歴史を持つ北浜では日常的で、ありふれた相場手法であった。
(4)ついでながら、野村證券や大和証券も発祥の地は北浜で、創業当時の社名はそれぞれ「野村徳七商店」、「藤本ビルブローカー」であった。両社が本社を東京に移したのは第二次世界大戦の敗戦後、十年以上過ぎてからである。それまでの株式市場の中心は北浜で、北浜の大阪証券取引は江戸時代に日本の米の流通を一手に支配した「堂島」の後を継いで,堂島とは川一つ隔てた南側に誕生した。
(5)株式市場の中心が北浜から兜町に移ったのは、戦後に大蔵省(現財務省)が金融機関と金融市場の許認可権、監督権を一手に握ったからである。その結果、最大手の野村證券と大和証券は本社を東京に移しばかりか、国債や投資信託の募集に営業の主力を投入するようになり、株式相場にインパクトを与えるような相場観や相場手法は影を潜めてしまった。
(6)最近ではインターネットの普及もあって巾着切りのように姑息で短命な相場が主流となり、「スケールの大きな仕手相場」を待望する声が高まっている。
(7)ちなみに加藤氏が青年時代から現在までに手がけた仕手戦は「岡本理研ゴム」「宮地鉄鋼所」「安藤建設」など数知れないが、中でも「新日本理化」と「ダイワボウ」の大仕手戦は記憶に新しい。いずれも大阪銘柄で、大阪市場を舞台とし、逆日歩攻めを交えた大取り組み、大相場を展開して市場人気を独占した。それらの相場スケールは群を抜いて雄大で、多数の投資家に鮮烈な記憶を残している。
(8)私は、その加藤氏が久々に「日本カーバイド工業」を取り上げるのではないかという情報を熱心な加藤ウオッチャーである二人の友人から聞いた。彼らは日頃から加藤氏の動向に注目を怠らず、加藤氏好みの銘柄の特徴を研究して、小さな変化の兆候をも見逃さない。
(9)私自身は直接情報を取得するパイプを持っていないが、加藤氏自身がホームページで新しい銘柄の登場を予告しており、日本カーバイド工業が候補となる可能性は十二分にあると思う。
(10)週明けの今日、東西の証券取引所が合併する。情報の真偽は不明ながら、日本カーバイド工業の株価に注目したい。