(1)韓国のパク・クネ大統領はわざわざ米国を訪問し、オバマ大統領との会談で日本の歴史認識や慰安婦問題を持ち出して米国から日本を批判した。この情報にはアメリカのマスコミよりも日本のマスコミが飛びついたが、大多数の日本人は「何を今さら」と感じただろう。
(2)最近では急上昇する日本経済と対照的に韓国経済の低迷が目立っているが、パク大統領は自国経済に対する効果的なてこ入れ策が見つからない。国民の政府批判をかわすためにパク大統領自ら訪米し、歴史認識や慰安婦問題を海外から発信することによって日本に対する劣等感を払拭しようとしたと思われるが、かえって手詰まりのあせりを感じさせた。
(3)日本では安倍政権が発足するや、矢継ぎ早に繰り出した金融緩和、規制緩和の経済政策が国民の支持を集め、生産と消費が回復し、景気回復が鮮明となった。年内には産業界の賃上げが実現し、日本国民は景気回復を実感するだろう。
(4)これに対して、日本企業との輸出競争力が急低下した韓国企業は景気低迷を脱出するための筋道が見えない。
(5)最大の原因は、ウォン高・円安の進行だろう。
(6)<チャート・ウォン対円 週足>をご覧頂きたい。李明博前大統領は自ら為替市場に介入して、青線で表示した通りウォン安を実現し、ウォン安をテコとして日本経済を追撃した。
(7)しかしパク政権は李明博政権のウォン安政策の反動で、赤線で表示した通りウォンの急反発に直面し、日本に対する競争力を失った。
(8)おまけに日本では安倍政権の大胆な金融緩和政策を受けて景気が好転したばかりか、金利低下を反映して円安が進行した。
(9)ウォン高、円安のダブルパンチを受けて韓国経済の対日競争力が急低下したが、パク大統領が景気てこ入れ策を見いだすことは困難だろう。
(10)手詰まりとなったパク大統領は、訪米してオバマ大統領と会談し、米国から筋違いの従軍慰安婦や歴史認識を発信して日本を批判する以外に自国民の不満をかわす方法が見いだせなかったのだろう。