2013/4/22

  2013年4月22日(月)
  GSユアサ・それでも電気自動車時代は来る。

GSユアサ日足

(1)GSユアサは現在、蓄電池で世界第2位。国内では日本電池を合併してトップシェアを確立している。
(2)不動産の含み益が厚く、収益力から見た株価に割安感がある。成長期待が加われば鬼に金棒となる。その成長期待はリチウムイオン電池が、発火、発熱問題を克服したときに現実となる。
(3)自動車に搭載している鉛蓄電池は古典的な技術で、高齢の人でも子供の頃に理科の実験で鉛の箱に+の陽極と−の陰極をつないだときに電灯がともった驚きを覚えているだろう。
(4)現在では電池はケータイやパソコンから自動車の動力まで、産業界の至る所で用いられており、鉛の代わりにリチウムを用いるリチウムイオン電池の技術開発が急速に進行している。
(5)もしリチウムイオン電池が完全実用化に成功すれば、飛行機、自動車、船舶、電車等のガソリンエンジンに取って代わり、排気ガスはクリーンになる。北京の大気汚染は解消し、地球温暖化も抑止できる。
(6)しかしリチウムイオン電池には発熱しやすい、発火しやすい、という重要な欠陥がある。その欠点を克服したリチウムイオン電池を開発できれば、産業界に革命が起こり、ノーベル賞受賞は必至と言われている。
(7)はからずも今、ボーイング787が米国のボストン空港で発火事故を起こし、全機の一時運行停止に発展した。リチウムイオン電池そのものに原因があるのか、周辺危機のシステムに問題があるかを米連邦航空局が調査中である。その報告はリチウムイオン電池の実用化を占う上で重要な試金石となる。
(8)GSユアサのリチウムイオン電池はボーイング787や三菱自動車の電気自動車アイミーブに納入されている。トヨタもパナソニックの技術を継承してプリウスに搭載している。
(9)リチウムイオン電池の安全性が確保されれば、自動車からエンジンと動力伝達に係わる複雑な機械部品が一掃される。自動車のメカニズムは遊園地のゴーカートのようにシンプルになり、異業種の家電やファッション業界が一斉に自動車市場に参入するだろう。
(10)安全で高性能のリチウムイオン電池のパテントを確立した企業は世界屈指の優良企業、成長企業に変身する。
(11)電池のトップメーカーであるGSユアサは、フォード社が200年昔にT型フォードを発明して以来の歴史的なメカニズムに革命を起こしうる位置にある。
(12)ボーイング787の発火事故に関する米連邦航空局の調査結果に注目したい。