2013/3/25

  2013年3月25日(月)

(一)お彼岸に聞いた東寺の僧のお説教。

(1)3月20日はお彼岸のお中日であった。その日に私は京都の東寺にお参りし、僧侶の読経とお説教を聞いた。始めて聞いた説教は信心を持たない私にも新鮮に響いたので、ご紹介しておきたい。
(2)お彼岸のお中日には、太陽がマ東から昇り、マ西に沈む。それゆえ昼と夜の時間が正確に同じとなる。人は東方で生まれ、死んで西方浄土に赴くが、昼夜がそれぞれ12時間ちょうどとなる日は1年のうち春秋2回のお彼岸しかない。それゆえ日本人は1年に2度、お彼岸に西方浄土のご先祖を偲ぶのである。
(3)有史以来連綿として絶えることなく生命を伝えてきて頂いたご先祖のうち、一人が欠けていても現在の自分はこの世に存在しない。生を受けた不思議な縁に思いをめぐらせてご先祖に感謝する日がお彼岸である。
(4)お大師さまは「人には煩悩(ぼんのう)があるが、煩悩こそ、解脱(げだつ・さとり)のための因縁(いんねん)となる」と説かれた。煩悩の原因は「自己に対する甘え」であり、煩悩を退治することが解脱への道となる。
(5)煩悩が多くても心配はいりません。「氷多きに水多し」と申しますが、煩悩の氷が多ければ多いほど、解けたときの悟りの水も多いのです。
(6)ちなみに私は東寺の門前の商家に生まれた。終戦直後の子供の頃には、東寺の広大な境内は荒れ果てており、私たちは本堂の白壁にボールをぶつけて三角ベースに興じていた。今ではそれらの建築物はみな国宝となっている。
(7)五重塔にこっそり登って、五層から京都市街を眺めたこともある。塔内には分厚いほこりが積もっていた。京都は空襲を免れたが、東山から西山まで高層建築は乏しく、大寺院の堂塔伽藍が存在感を示していた。
(8)喜寿(七七歳)を過ぎて私は東寺で始めて僧侶の説教を聞いた。お説教はしみじみと心にしみた。

 閑話休題(かんわきゅうだい)。
(二)南鳥島沖で巨大なレアアースを発見。
   三井海洋開発と日本海洋掘削の出番。
三井海洋開発日足

海洋掘削日足

(1)メタンハイドレートに続くレアアースの発見で、日本が資源大国に変身する可能性が浮上した。
(2)南鳥島沖のわずか3メートルという浅い海底の泥中に、濃度が中国産の30倍を超えるレアアース(希少金属)が大量に埋蔵されていると、海洋研究開発機構と東大の研究チームが発表した。
(3)レアアースの中でも特に希少で、ハイブリッド車に不可欠の「ジスプロシウム」が国内消費量の230年分も含まれている。しかもジスプロシウムの濃度は中国産の32倍に上る。濃度が高いほど採掘コストが下がるから、海底資源ながら投資採算に乗りやすい。
(4)世界のレアアースは現在中国が90%以上を独占しており、戦略的輸出商品として価格を操作してきた。日本の開発・生産が軌道に乗ればトヨタはハイブリッド車の国際競争力を強化することができる。
(5)自動車の排気ガスが北京の黄砂をより深刻にしているから、安価なジスプロシウムの大量開発はハイブリッド車の普及を促し、中国の大気汚染の解消に貢献する。
(6)日本は海洋国家である。すなわち国土面積は世界第62位の38万平方キロメートルに過ぎないが、排他的経済水域は10倍以上の447万平方キロメートルで、世界第6位の大国である。
(7)日本は海洋国家の長所を生かして、海洋開発で独走態勢を築いてきた。日本の領海では、すでにメタンハイドレート(固形天然ガス)の鉱脈が次々に発見されている。レアメタルや天然ガスの開発が軌道に乗れば日本は一躍石油と鉱物に恵まれた資源大国に変身する。
(8)三井海洋開発と日本海洋掘削のコンビは、世界の海洋石油開発で独占的な実績を築いている。両社とも世界のオンリーワン企業であるが、特に日本海洋掘削は親会社が石油資源開発、そのまた親会社が経産省で、事実上の国営企業だから資金調達力にこと欠かない。
(9)本格的な海洋資源の開発は安倍内閣の「第3の矢」の中でも息の永い有力な政策目標となるだろう。

(三)サラ金3社が急動意。

(1)これまでに何度か取り上げて反落していたアイフルが先週末にストップ高を演じ、アプラス、オリコも動意付いた。
(2)安倍内閣がサラ金規制を解除するのは時間の問題とみられている。
(3)規制解除を早耳したとも見えるので、注目が怠れない。