2013/1/28

  2013年1月28日(月)

(一)バイオから家電へ。
<表1・直近の掲載銘柄>
日付 銘柄
2013/01/21  シャープ [6753]
2013/01/15  タカラバイオ [4974] ナノキャリア [4571]
2013/01/07  日本ケミカルリサーチ [4552]
2012/12/17  アイフル [8515]
2012/12/10  シャープ [6753]
2012/12/03  日本橋梁 [5912] 三洋海洋開発 [6269]
 日本海洋掘削 [1606]
2012/11/26  タカラバイオ [4974] ナノキャリア [4571]
 免疫生物研究所 [4570]
2012/11/19  日本ケミカルリサーチ [4552]
2012/11/05  ナノキャリア [4571]
2012/10/29  ナノキャリア [4571] 免疫生物研究所[4570]
 新日本科学[2395] アコム[8572]
2012/10/22  アコム[8572]
2012/10/15  アコム[8572]
2012/10/10  ナノキャリア [4571]
2012/10/09  ナノキャリア [4571] 日本ケミカルリサーチ [4552]
2012/10/01  アコム[8572] ソニー[6758]

(1)第1に、<表1>で予想した通りバイオ関連株が新春相場の主役に急浮上した。しかもドンピシャリで、ナノキャリアとタカラバイオがバイオ人気を牽引した。
(2)第2に、私は円安トレンドが続くと思って、「バイオの次は家電」と予想した。
(3)第3に、日本の輸出株を代表する家電3社(ソニー、パナソニック、シャープ)の中でもシャープが最安値圏で巨大な空売りを飲み込んだ。前回と重複するが、あえてシャープを取り上げた。
(4)株式市場には日本語で「袋のネズミ」、英語で「ボトルネック(ビンの首)」と呼ばれる相場の格言がある。巨大な空売りが狭い出口に向かって脱出しようとしたとき、パニックが起こる。シャープは「袋のネズミ」に発展する条件を備えている。

(二)シャープは大踏み上げも。

(1)安倍総理は2%のインフレ目標設定を日銀に強く要求し、同意させた。
(2)また安倍総理は10年以上の長期にわたって放置されたデフレを克服するためには大規模な過剰流動性の供給が不可欠だと考えて大型の財政投融資を断行した。
(3)政府と日銀が協調するジャブジャブ金融は円安を誘発し、円安は輸出産業に大きな活力を与える。
(4)このまま円安基調が続けば、輸出関連株を代表する家電3社の業績が好転し、人気の中心に浮上するだろう。
(5)中でも、シャープは年末年始に倒産必至と見た投機筋が200円割れを執拗に、大量に売り込んだから、借り株を加えた空売りは1.7億株に激増した。
(6)これに対する買い残は7,000万株に過ぎない。売残が買残の2.4倍に積み上がったシャープは大仕手戦に発展する条件が成熟している。
(7)シャープを売り込んだ弱気筋の根拠は大幅な赤字決算予想と深刻な資金繰り不安であったが、円安の進行につれて下半期の黒字転換が鮮明となったばかりか、予想される黒字幅は拡大一途をたどっている。
(8)安値を売り込んだ1億7,000万株は底値圏に取り残されて袋のネズミとなった。200円割れを売り叩いた投機資金は株価が330円台に急騰したためにすでに評価損率が50%近くに達したと推定される。
(9)安倍政権は金融緩和政策を断固として推進しているから、円安傾向が急速に終息するとは考えにくい。巨大な空売りがボトルネックに阻まれて大踏み上げを迫られる可能性は高まっている。

(三)日本対韓国の輸出競争力。

(1)韓国製自動車が虚偽の燃費効率をPRしていたことが米国で問題となり、韓国でも事実であることが検証されたと報道されている。
(2)昨年は対円で半値に暴落したウォンも反騰に転じている。過激なウォン安政策は韓国の自動車と電気の輸出競争力を支援したが、輸入物価の高騰を招き、国民の不満が鬱積している。新政権がウォン安政策を継続することは困難だろう。
(3)それゆえ今年は日本の輸出産業が実力を試される年となる。韓国と競合する家電3社が人気を挽回する好機となる。