2013/1/15

  2013年1月15日(火)
  タカラバイオとナノキャリア。

タカラバイオ日足

ナノキャリア日足

(1)安倍内閣は山中伸弥教授のiPS細胞の研究開発に1,100億円の国家予算を計上した。安倍首相はノーベル賞を受賞したiPS細胞から派生する医療と医薬品を日本の新しい輸出産業に育成したいと述べている。
(2)山中教授のiPS細胞生産を開発段階から現在まで終始一貫して支援し、一手に引き受けてきたのはタカラバイオである。現在はiPS細胞の作成に用いる遺伝子や試薬の販売も開始している。
(3)タカラバイオはiPS細胞を含むバイオ医薬品の生産、臨床試験、販売のすべてを受託・販売する唯一の企業である。バイオ医薬品の研究と開発に果たしてきた役割はきわめて大きい。
(4)親会社の宝酒造は利益よりも社会的なニーズを優先するという志をもってバイオ関連事業に取り組んできた。社名に「バイオ」を冠したのは宝酒造の志と先見性の証明である。
(5)タカラバイオは遺伝子研究用の試薬や理化学機器販売を主力業務としてきたが、今やバイオの研究開発に係わる機関の大半が何らかの形でタカラバイオの支援を受けているから、名実共にバイオ関連の指標銘柄である。
(6)バイオ関連株は山中教授のノーベル医学賞受賞をきっかけに人気化したが、山中教授自身が「ノーベル賞は終わった、すぐに研究現場に復帰したい」と語っているように、ノーベル賞は最終目標ではなく新たな研究開発の出発点となった。
(7)その事実はiPS細胞が開拓しようとしているバイオ医薬品市場の潜在的成長力の高さと豊かさを示している。
(8)斬新な医療・製薬技術を開発して人気を集めていたナノキャリアもまた、タカラバイオと連動するバイオ人気株の双璧に急浮上した。
(9)両銘柄の連動性はきわめて高く、先週にはそろって大幅に高値を更新した後、週末に急騰し、急落する大波乱を演じた。
(10)バイオ市場の急速な拡大成長は始まったばかりだから、2社の人気は簡単には衰えないだろう。波乱、突っ込みは買いの好機と見たい。