2012/11/26

  2012年11月26日(月)
  バイオ人気を牽引する三銘柄。
  ナノキャリア、タカラバイオ、免疫生物研究所が
  二段上げへ。

(一)チャート。

ナノキャリア日足

タカラバイオ

免疫生物研究所

(二)ナノキャリア〔4571〕。

(1)ナノキャリアはミセル化ナノ粒子技術を確立し、その技術をベースに既存の抗がん剤の薬効を拡大し、副作用を縮小し、大型新薬を発表するなど、バイオ株人気の主役を演じてきた。
(2)しかしこれまでは自力開発にこだわったために、せっかく開発した特許を売却し、或いは投資グループに転換社債を引き受けてもらうなど、資金繰りに不安を抱えていた。
(3)そんな状況下で、突如信越化学がナノキャリアの完全買収を発表した。信越化学は新たに第三者割り当て増資を引き受け、既発の転換社債を全面的に肩代わりして、資金繰り不安を一掃したばかりか、日本最大、最強の化学技術を投入して、資金力と技術力の両面で最強の後ろ盾となった。ナノキャリアの株価が暴騰したのは当然である。
(4)しかし信越化学はすでに完全買収のための手続きを完了したにもかかわらず、親会社として買収時に短いコメントを発表した以外は沈黙を守り、新たな情報開示を行っていない。
(5)その結果、買収発表によって頂点に達した株価は反落し、沈静化しているが、化学業界を代表する巨大優良企業の全面的支援を受けたナノキャリアが旺盛な開発力を一段と加速したことは必然だろう。
(6)一方、ミセル化ナノ粒子技術の汎用性はきわめて高いから、注射薬、飲み薬、貼り薬、目薬等、広範囲の製薬業界からナノキャリアのノウハウを導入して新製品を開発したい企業が続出していると推定される。この点も今後のナノキャリア人気のもう一つの注目点となるだろう。
(7)ナノキャリアのチャートは現在踊り場を形成しているが、新たな情報開示等をきっかけとして上放れる時期が近いと私は思う。

(三)タカラバイオ〔4974〕。

(1)タカラバイオはバイオ関連株の中でも、新薬の開発、臨床、生産、販売のすべてを自社で一貫して手がける唯一の銘柄である。
(2)例えば免疫生物研究所は研究開発に特化して販売をタカラバイオに委託する契約を正式に締結している。
(3)バイオ関連の指標株として、株価の二段上げに注目したい。

(四)免疫生物研究所〔4570〕。

(1)当社は研究開発型企業であるが、タカラバイオに全面的に販売を委託する契約を締結した。海外でも各国においてきた代理店をすべてタカラバイオに引き継ぎ、経営資源を新製品開発に集中する。
(2)研究用試薬は競争が激化しており、海外市場の販売が急務となっていた。
(3)今後は海外のバイオベンチャーとの提携などを通じて開発機能を強化する。
(4)四季報は1株当たり利益を今期316円、来期405円と予想しているが、経営の積極化から利益の上方修正が期待できる。
(5)カイコの遺伝子を用いて新薬や試薬の開発に乗り出した。
(6)上場時に記録した最高値1万円まで、チャート上の大きな節目はない。