2012/11/19

  2012年11月19日(月)
  日本ケミカル。創業以来の飛躍期へ。

(一)チャート。

(二)来期は創業以来の飛躍期。

(1)芦田会長が期首に、今期業績は雌伏期ながら来期には創業以来の飛躍期に入ると語っていた通り、今期は小幅の増収増益で推移している。
(2)しかし来期の強気発言については、英グラクソのマーク・デュノワイエ会長が明快に裏付けている。すなわちマーク会長は来年3月にエポエチンアルファと新薬一品目を発売開始すると明言しており、中でもエポエチンアルファが大型である。
(3)グラクソは先に日本ケミカルの筆頭大株主となり、全面的包括提携契約を締結、新薬開発に伴う資金を出資し、販売権を取得した。グラクソは現在、日本の厚生省を始め、世界各国の薬事局に対する日本ケミカルの臨床テストと薬価申請を代行しているから、「世界市場で3月発売」は正確な情報である。

(三)エポエチンアルファの市場規模。

(1)エポエチンアルファは協和キリン、中外製薬に次いで、日本ケミカルが独自のバイオ技術を駆使して開発した第三の腎性貧血治療薬である。国内1,000億円市場では2009年に、キッセイ薬品が日本ケミカルの代理店として発売を開始した。
(2)しかし来年3月にグラクソが販売代理店として参入する海外の腎性貧血治療薬市場は1.4兆円の巨大市場である。製薬大手グラクソが本格的に参入すれば、かりに市場シェア10%を取得したとしても1,400億円で、年間売上高145億円の日本ケミカルの売上高は一挙に10倍に拡大する。
(3)さらにグラクソは日本ケミカルに特許料として売上高の一定比率を支払うと同時に、世界各国で販売認可を取得する度に特許料を支払うから、増益率は増収率を上回ると推定できる。

(四)グラクソの翼を得て世界市場に飛躍。

(1)現在グラクソは一連の希少疾病薬を日本ケミカルと共同開発中であるが、日本では希少疾病薬であってもグラクソが世界中で販売すれば大型新薬となる。神戸の日本ケミカルはグラクソ・スミス・クラインの翼を得て世界市場で直接販売することが可能となったである。
(2)株価はいま、来年3月以降の業績変化を先見して保ち合いを上放れたばかり、と私は思う。

 日本ケミカル・追伸。
  
日本ケミカルが細胞医薬品を15年にも投入。

(1)11月19日付日経産業新聞は、日本ケミカルが「細胞医薬品を15年にも投入」と報じた。
(2)国内初で、来年臨床試験の完了を目指す。
(3)健常者の細胞から作り、骨髄移植後にかかる重度の病気の治療に使う。
(4)治験に参加する25人の患者のうち、最後の患者への投与を始めた。
(5)細胞医薬品の発売は国内初となる見込みである。
(6)日本ケミカルの先端技術に注目されたい。