2012/11/5

  2012年11月5日(月)
  ナノキャリア。急騰した株価の行方。

ナノキャリア日足
(一)傑出した技術力と経営力。

(1)またまたナノキャリアで気が引けるが、今週も株式市場でダントツの主役を演じると思われる。
(2)信越化学が筆頭大株主に登場して、総発行株式数わずか23.5万株のナノキャリアが日本の株式市場を代表する人気株に出世した。チャートを見れば一目瞭然、ストップ高を交えた株価の騰勢は群を抜いており、沈滞した日本の株式市場に鮮烈なインパクトを与えている。
(3)つい2〜3週間前までは、営業赤字を脱出するメドさえ立たない段階での人気化を異常と見るコメントや、株価の過熱を危ぶむコメントが少なくなかった。事実、上場以来の決算内容見る限り、どんなに好意的に評価しても積極的に買い上がる根拠は見いだせない。
(4)にもかかわらず株価が急騰したのは、大型技術、大型新薬の開発情報が切れ目なく飛び出すからである。情報の出所には二つのチャンネルがある。
(5)第1のチャンネルは、ナノキャリアの研究開発を主導した東大大学院の片岡一則教授である。片岡教授は今年、ドイツでフンボルト賞を受賞した。フンボルト賞はノーベル賞の登竜門との評価が高い。事実片岡教授は今年のノーベル化学賞候補にも挙げられていた。年間売上高が3億円に過ぎない赤字会社にとってフンボルト賞受賞の片岡教授は金看板である。
(6)第2のチャンネルは、中冨一郎社長の豪腕である。赤字まみれのベンチャー企業が自力で研究開発を推進するためには綱渡りの資金繰りを破たんなく乗り切る経営力が不可欠である。中冨社長は節目節目でタイミングよく大型材料を発表し、株価が人気化したところでベンチャーキャピタルから資本を調達してきたが、ついに日本の化学業界を代表する巨大優良企業・信越化学をナノキャリアの筆頭大株主に据えて、株式市場を仰天させた。
(7)信越化学はナノキャリアの信用不安、資金繰り不安を解消する一方、技術力に太鼓判を押した。信越化学の支援を得て、ナノキャリアの旺盛な開発力は拡大し、加速するだろう。株式市場で人気が沸騰し、株価が急騰したのは当然である。
(8)次々に刺激的な材料を繰り出す中冨マジックを見て私はいま、中冨社長が噂通りナノキャリアを米ナスダック市場に上場する日が近いのではないかと感じている。

(二)株式の需給関係。

(1)ナノキャリアの浮動株は全発行株式23.5万株のうちわずか5万株(22.5%)に過ぎない。先週末には1日で浮動株の60%を占める3万株の出来高を記録したのだから、株価が吹き上げたのは当然である。
(2)信用取引は買いのみで10月26日現在18,934株。空売りはできないが、借り株を用いた空売りが相当数あると推定される。

 今週の KYO-ONNA。
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