I。先週末に好材料を発表した3銘柄。 |
(一)ナノキャリアに大材料。 |
(1)10月26日付で、信越化学がナノキャリアの第三者割り当て増資1.2万株、7億円を引き受けたと発表した。
(2)信越化学は別途、ベンチャーキャピタルが出資していた株式を肩代わりする予定で、事実上ナノキャリアを傘下に入れる。
(3)ナノキャリアは最先端のナノテクノロジーを駆使して開発したミセル化ナノ粒子を用いて大型のガン新薬を次々に開発してきた。
(4)その開発力はきわめて旺盛であるが、自力開発に固執するために開発したノウハウを売却する等で資金繰りを凌いできた。
(5)信越化学は化学業界随一のハイテク企業である。ナノキャリアはその傘下に入ることによって最適原料の供給を受けると同時に資金繰り不安から解放される。
(6)ナノキャリアには熱心なファン、支持者が多い。経営が安定し、開発力に拍車がかかるという一石二鳥の好材料をどう評価するか、週明けの株価に注目したい。
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(二)免疫生物研究所が新しい製造技術を開発。 |
(1)10月26日付けで「遺伝子組み換えカイコ由来抗体の製品への利用を開始」と発表した。従来は抗体の生産にマウスを使用していたから、カイコのマユを使用することによって生産コストを大幅に削減することができる。
(2)10月15日には心筋梗塞の早期診断マーカーを発見したと発表した。心臓に係わる循環器病は成人病の中核を占めており、事前発見マーカーの潜在需要はきわめて大きい。
(3)当社は先にタカラバイオとの提携によって販路を大幅に拡大し 、海外進出も射程に入れた。またトランスジェニックと合弁会社を設立するなど、経営が急速に積極化している。
(4)業績は急上昇しており、四季報の予想1株利益は今期316円、来期405円。50円復配も表明している。ここへ来て新技術、新製品の開発が相次いでおり、一段の増額修正が期待できる。
(5)チャート上は上場時の高値10,100円まで節目がない。
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(三)仕手株の焦点に浮上した新日本科学。 |
(1)赤字決算ながら、浮動株が20%に過ぎず、株不足、逆日歩が継続して仕手相場の主役に浮上している。
(2)当社は前臨床試験受託の最大手で、先週末に米国の国際実験動物管理公認協会から完全認証の継続通知を受けたと発表した。新薬開発にも積極的である。
(3)株価変動の激しさから、先週末に東証が投資家の注意を促すため「日々公表銘柄」に指定した。
(4)しかし現実には日々公表銘柄の指定が逆に「仕手株のお墨付きを得た」として市場人気を刺激する場合が多い。
(5)果たして今回はどうだろうか。仕手戦の行方に注目したい。
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(四)増額修正のアコム。 |
(1)三大銀行の利益が9月中間期に40%減と報道される一方で、同じ金融機関でもアコム、アイフル、プロミス(三井住友銀行傘下)等、サラ金各社の業績急上昇が鮮明となっている。
(2)中でもアコムは先週末に、9月中間期の決算予想を1株146円から173円へ、大幅に増額修正した。
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II。石原慎太郎の新党結成について。 |
(一)石原慎太郎登場に拍手。 |
(1)石原慎太郎が記者会見を開き、国政進出を表明した。
(2)折しも大多数の国民は野田内閣の無為無策にいらだちを深めていたから、石原氏のたくましく、颯爽とした勇姿に多数の日本国民が拍手喝采を送った。
(3)「太陽の季節」で芥川賞を受賞した石原慎太郎と、「太陽の季節」で銀幕にデビューした石原裕次郎は私と同世代である。石原兄弟の鮮烈なマスコミ登場に励まされて、自分にも何かができるのではないかと密かに野心を燃やした青春時代を、私は今でも生々しく記憶している。
(4)石原慎太郎の国政進出が大きな注目を集めた背景には、中国、韓国との間で急浮上した領土問題がある。
(5)しかし弱体化した日本経済と弱体化した野田政権の虚を突いて攻勢を強めてきた中国と韓国の政治的、経済的環境が次項の通り急速に悪化しつつある。 |
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(二)中国、韓国で急浮上したカントリーリスク。 |
(1)中国、韓国の景気悪化、政治的混迷が鮮明となった。カントリーリスクの増大も軽視できない。
(2)中国の景気は政府主導の反日暴動を契機として、急速に後退期に入った。すでに中国に進出した日本企業は政府機関の監視下で「残るも地獄、引くも地獄」の苦境に追い込まれている。共産党一党独裁の政治的リスクの大きさを見て日本はもちろん、世界中の企業が一斉に中国進出を見合わせた。
(3)中国の景気悪化は 、タダでさえ貧富の拡大に苦しむ貧困層の生活を直撃し、反日暴動が反政府暴動に転化する可能性が高まっている。
(4)韓国も景気後退期入りが鮮明となった。官民一体の資金投入とウォン安政策の恩恵を受けて韓国経済を牽引してきたサムソンが、今や世界各地でパクリと特許侵害の訴訟に直面し、信用を失墜している。外貨準備が乏しい韓国政府はウォン安政策どころか今やウォンの暴落におびえている。
(5)官民一体の政治が汚職を生む。韓国のマスコミは汚職疑惑で大統領の長男と実兄の逮捕は目前で、大統領も任期明けの来年早々に逮捕必至と報道している。
(6)両国の景況悪化と政治的混迷はカントリーリスクの増大につながる可能性がある。 |
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