2012/10/15

  2012年10月15日(月)
  アコム。業績、チャートとも雄大な上昇局面へ。

(一)需給関係と株価。
アコム日足

(1)アコムはこれまでにクラブ9で数回取り上げたが、株価は一貫して上昇局面を維持している。
(2)チャートは9月末に戻り高値を突破した後、次の節目は2008年11月5日に記録した4,400円まで何もないという雄大な上昇国面に入った。ちなみに史上最高値は1999年に記録した14,830円である。
(3)アコムは木下家のファミリービジネスで、現在まで木下一族が一貫して直接経営に当たっている。木下ファミリーの保有株は37%である。
(4)その後三菱東京UFJ銀行が36.8%を取得して筆頭株主となった。三菱東京UFJの平均取得株価は4,926円で、簿価を回復するまでは上げ賛成だろう。
(5)両者の合計保有株は74%に達している。生損保等の保有株を加えると安定株主比率は80%を超えると推定される。
(6)時価総額の大きさに比べて浮動株が極端に少ない。今後も大株主から売りが出る可能性が乏しい。需給関係を見る限り、出来高が少ないまま、じりじりと高値を更新するのではないか。

(二)業績も増額含み。

(1)株価上昇の裏付けとなる業績もまた増額修正要因が目白押しである。
(2)貸金残高は7,900億円。利益率は2.5%。
(3)銀行22行に対するアコム補償の補償残高は5,700億円。補償料率は1.5%で、残高は年率6〜9%で拡大している。
(4)海外ではタイとインドネシアに進出しており、年率5%の成長を見込んでいる。営業利益は62億円。利益率は3%。他のアジア諸国に拡大を計画している。
(5)三菱東京UFJは別途アコム補償によるバンクローンを拡大している。
(6)税務上の損金が7,000億円以上あり、今後5年間は無税となるから、現在2,700億円の純資産が年率300〜500億円で増加する。
(7)店舗数1,040店のうち1,000店がすでに無人店舗となっており、合理化による業界内競争力が強い。
(8)不況下の弁護士業界では過払い利息の返還訴訟は重要な収入源となっており、テレビ広告が活発で訴訟は高水準を保っているが、訴訟のネタ切れによる急減が近いという観測もある。縮小に転じれば利益急増の要因となる。
(9)業績予想は上方修正含みで、下方修正の可能性はきわめて乏しい。