2012/8/20

  2012年8月20日(月)

(一)バイオ医薬品の大本命・日本ケミカルが上放れ。
JCR週足

(1)クラブ9の長期推奨銘柄である日本ケミカルの株価がついに保ち合いを上放れた。3月6日の高値944円を抜けば雄大な上昇局面に入る。
(2)日本ケミカルは創業以来バイオ技術とバイオ新薬の開発に特化した世界1のバイオ企業である。
(3)いまや世界中の製薬大手が一斉に化学合成薬品からバイオ医薬品へ経営資源をシフトしている。武田薬品を始め、日本の製薬会社も例外ではない。バイオ医薬品は化学合成薬よりも副作用が少なく、人間の免役システムを活性化する機能が評価されて、新薬開発の焦点に浮上した。
(4)化学合成薬のゾロ品開発競争を勝ち抜いた沢井製薬も日本ケミカルの大株主10位に登場している。
(5)世界第2位の製薬大手・英グラクソが真っ先に日本ケミカルのバイオ技術に注目して25%を占めるダントツの大株主となり、すでに新薬開発から販売まで、全面的な提携関係を確立している。
(6)グラクソのマーク・デュノワイエ会長は日本ケミカルの取締役である。私が直接取材したところ、共同開発中のバイオ新薬第1号とエポエチンアルファの米国販売が、来年3月には米国FDAから認可を受ける予定だと言明した。腎性貧血治療薬エポエチンアルファはグラクソの海外販売によって売上高を短期間に10倍に伸ばすだろう。
(7)日本ケミカルはグラクソの全面的支援を得て今春までに米FDAから直接審査を受けるシステムを確立した。世界最難関の米FDAの審査をクリアすれば日本の厚生省はもちろん、世界各国が追随して認可するから、今後日本ケミカルが開発する新薬は世界同時発売となるだろう。
(8)日本ケミカルの前期売上高は145億円に過ぎないが、グラクソの年間売上高は200倍の2,8兆円である。グラクソは日本ケミカルと共同開発中の5件のバイオ新薬を世界市場で同時発売するから、来年3月以降は日本ケミカルの売上高と特許料収入が桁違いに激増するだろう。
(9)株価は世界市場への飛躍を先見し始めたと私は思う。

(二)オリンパス・大仕手戦の決着迫る。

(1)チャートは日足、週足とも一触即発の終盤戦を迎えた。
(2)先週末の引け値1,468円から戻り高値1,482円まで、わずかに14円を残すのみとなった。移動平均線はきれいな上昇カーブを描いているから高値更新は時間の問題で、今週にも実現するだろう。
(3)高値を更新すれば1,000万株と推定される売り玉はすべて評価損となり、株価上昇に弾みがつく。
(4)7月31日の高値1,482円を抜けば2,000円大台回復までは完全な真空地帯に入る。株価は昨年10月の不祥事発生で大暴落したが、そのときに空けた600円幅の広大な窓を今回は埋めに行くだろう。
(5)米投資ファンドのハリス・アソシエイツが先週、保有株式を1%(270万株)買い増して7%に増やしたと発表した。米投資ファンドのベイリー・ギフォードと合わせると暴落後に12%(3,240万株)を市場から吸い上げた結果、需給関係が極端に逼迫した。
(6)主力の売り方と買い方が共に外資系ファンドである点も初体験である。買い大手2社がさらに買い進めば、売り方は大踏み上げを迫られる。
(7)昨年10月以来の大仕手戦はいよいよ終盤の決戦期を迎えた。参加者も観客も、後学のために大仕手戦の行方に注目されたい。