(1)ナノキャリアの創立以来のアドバイザーである東大片岡教授が3月26日、ドラッグデリバリーシステムの開発によってドイツのフンボルト賞を受賞した。ノーベル賞受賞の呼び声も高い。
(2)日本人の3人に1人がガンで死亡している。これまで多数の抗がん剤が開発されたが、副作用で苦しんだ。その副作用を抑えて抗がん剤を効果的に作用させるシステムがドラッグデリバリーシステムである。
(3)システムの中核をなすミセル化ナノ粒子は急成長したガン周辺の血管に隙間が多い性質を利用する。ミセル化ナノ粒子はガン周辺にできる数百ナノメートル(1ナノは10億分の1)の隙間を通り抜けて患部に到達する。
(4)抗がん剤を取りこんだ20〜100ナノメートルのカプセルは、ゆっくりと抗がん剤を放出するように速度を調整できるから、ナノ粒子が全身を循環しても薬効成分の濃度はあまり高くならず、副作用を抑えることができる。
(5)ナノキャリアは効果が高い抗がん剤と組み合わせたDDS薬剤を開発している。
(6)中冨社長は米国でベンチャー企業をナスダックに上場させた実績があり、ナノキャリアをナスダック市場に上場させるのではないかという期待もある。
(7)ナノキャリアは研究開発費を自力で賄っているために累積赤字が急増しているが、投資家の評価と人気は揺るがない。実力、人気ともベンチャービジネス、ベンチャーキャピタルの最右翼だろう。
(8)チャートは一目均衡表の雲を突破した後、一押し入れたところである。高値を更新する条件は成熟しつつある。