2012/4/23

  2012年4月23日(月)
  I。新しい加藤銘柄・明和産業と新日本理化。
    仕手株に関する岡目八目の私見。
  II。石原都知事の尖閣諸島買収を支持する。
  III。今週の京女。

  I。新しい加藤銘柄・明和産業と新日本理化。
    仕手株に関する岡目八目の私見。
明和産業日足
新日本理化日足
(一)加藤氏がホームページを更新。

(1)加藤氏が「般若の会」のホームページを4月20日付けで更新した。
(2)文章は難解ながら、推奨銘柄は次の2社に絞られている。
(3)第1に、前回に推奨した新日本理化は1,000円幅で上昇し、3月2日に1,297円の高値を記録したが、4月9日には452円まで暴落した。しかし空売り筋の踏み上げで再度高値を更新する可能性がある。
(4)第2に、新規に推奨する明和産業が4月16日の409円を起点として上昇波動に入るだろう。

(二)チャート理論を破壊した明和産業。

(1)明和産業はこれまでの加藤銘柄とは全く異質で、三菱系の優良企業である。四季報予想1株利益も前期44.3円、今期57.5円で、株価に割高感はない。
(2)明和産業は異例の鋭い反応を示し、株価は先週、チャートの常識を破壊する「四空」を記録した。
(3)チャート理論には日足が三つの窓を開けて上放れた場合に「三空に買いなし」とする格言があり、経験則から「三空」の買いは危険だと教えている。
(4)ところが、<チャート1>の通り、明和産業は先週いきなり「三空」はおろか、四つの窓を開ける「四空」を演じ、「三空に買いなし」の格言をいとも簡単に破壊した。
(5)このままでは週明けの今日も窓を開けて「五空」を演じる可能性がある。もちろん高寄りした後に反落して窓を埋める可能性もある。
(6)明和産業が常識破りのチャートを実現した背景として私は次の二点を上げておきたい。第一に、株式市場に強い加藤待望論が潜在していた。第二に、投資家が最近の硬直した相場にあきあきして変化を求めていた。

(三)仕手株は利食いのタイミングを予測することが至難である。

(1)年初に私は、「相場が長期にわたる沈滞、低迷状態から脱出するときには常に仕手株が主役となって突破口を開く習性がある」と指摘し、あえて加藤氏推奨の新日本理化をクラブ9の注目株にあげた。
(2)通常の推奨銘柄は、利益成長力や新製品開発を材料に上げているが、仕手筋は需給関係を重視する。根拠の乏しい株価の急騰をとがめて空売りが急増すると、待ってましたとばかりに逆日歩で責め立てて仕手相場に持ち込むのが常套手段である。
(3)その点では、今回推奨の明和産業は優良株だけに空売りが入りにくいだろう。売り圧力が小さければ上昇スピードは速いが、空売りが急増しなければ相場が短命に終わる可能性がある。
(4)いずれの場合でも仕手筋は基本的に短期決戦狙いだから、売り方が踏んだ後は株価が反落して元の木阿弥になりやすい。
(5)私が仕手株の推奨をためらうのは利食いのタイミングを判断することが至難だからである。それでも仕手株を勧める場合は「仕手株である」ことをあらかじめ断るようにしている。
(6)しかし3月12日付「クラブ9」で、私は珍しく「利食い千人力」という大見出しで、仕手株の利食いを勧めた。当時は相場全体が本格的な上昇局面に入り、一握りの仕手株が株式市場をリードする局面が終わったと思ったからである。
(7)ところが新日本理化は私の予想をはるかに上回る一直線の急落となり、多くの投資家が高値で取り残された。私は仕手相場の利食いの難しさを改めて痛感した。
(8)そんな時に加藤氏がホームページを更新して新日本理化を再推奨したから、私はその要点を紹介し、私見を添えて参考に供したいと思った。

(四)戻りが鈍い新日本理化。

(1)明和産業がピカピカのニューフェースで安定株主が多いのに比べると、新日本理化は浮動株が多い上に2度目の挑戦だから戻り売りを浴びたのは当然だろう。
(2)加藤氏は両銘柄の需給関係を考慮した上で、フレッシュな明和産業を先ずカチ上げて、余勢を駆って新日本理化のしこりをほぐし、あわよくば新値更新を狙うという作戦を立てたと思う。しかし先週の両銘柄の騰勢には予想以上の大差が生じたのではないか。
(3)予想よりも速く新日本理化の戻りに限界が見えたときには仕手筋の資金調達力が不十分となる。その場合に明和産業がどこまで上昇するか、に注目したい。

(五)仕手相場には終わりがある。

(1)仕手相場は丁半ばくちに似て勝負が早い。投資家の加藤人気も加藤氏が演出するスピードの速い仕手相場にあるだろう。
(2)しかし仕手株の盛衰は環境によって千変万化するから、決め手となる対応策は見出しにくい。そこで「岡目八目」であることをお断りした上で、私見を述べてご参考に供したい。ちなみに「岡目八目」は将棋や囲碁の対局で「素人の観客でも8手先までは読める」の意で、プロとの違いは最終局面まで読み通すことができないところある。
(3)第一に、仕手株は成長株でも材料株でもないから、将来の利益成長や好材料の実現によって割高な株価を合理的に説明することができない。それゆえ空売りを誘い込みやすい。
(4)第二に、空売りが急増した場合でも、仕手筋自身が仕掛けたつなぎ売りではないかと疑っておく必要がある。
(5)第三に、株価が急騰すればするほど、株不足が急増すればするほど、「空売り禁止」や「増し担保」といった当局の規制を誘発しやすい。特に空売りが禁止されると仕手筋自身が「つなぎ売りによるリスクヘッジ」の奥の手を使えなくなる。
(6)第四に、仕手筋は動員した資金を回収し終えて始めて利益を確定することができるから、仕手相場には必ず終わりがある。
(7)第五に、老婆心を付け加えれば、仕手相場に参戦する投資家は「腹八分目」の心得が必要ではないだろうか。

  II。石原都知事の尖閣諸島買収を支持する。

(1)私は先週、「老醜をさらした石原都知事」の見出しで、新党結成を「年寄りの冷や水」と揶揄(やゆ)した。
(2)しかしその直後に石原都知事は「東京都は尖閣諸島を買う」というコメントを発表した。
(3)ワシントンから世界に向けて発信した手法と併せて、私は日本国民として敬意を表し、「老醜」発言を取り下げたい。
(4)猪瀬副知事は「買収資金について、民間の寄付を募っても」と述べていたが、これも支持したい。

  III。今週の京女
 新舞踊小泉流、小泉月花(Koizumi Gekka)先生の舞踊会が平成24年5月5日に国立文楽劇場で催されます。
 最後の演目として、創作舞踊「わが回想の京女」が上演されます。
 12曲中、「卒業」「カンカン坊主」「初恋」「宵山」「渡月橋」「いま、愛の時」「わが回想の京女」の7曲が、
西川鯉右(Nishikawa Koisuke)先生作舞で、新舞踊になりました。
先日の下々合わせの模様を公開しています。ぜひご覧ください。

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