2012/4/2

  2012年4月2日(月)
  I。利益激増のサラ金関連3社。
  II。ダイハツディーゼルに好機。

 I。利益激増のサラ金関連3社。
(一)アコム。
アコム

(1)3月19日付けクラブ9で予想した通り、先週末に株価は昨年2月14日の高値1,880円を更新して1,900円台に急騰した。その結果、チャートの節目は4,000円台まで何もない「青天井」に突入した。
(2)アコムは時価総額が2,900億円の大型株であるが、木下一族始め安定株主が多く浮動株が0.5%と極端に少ないから、出来高が薄く、値動きが軽い。
(3)一方、3市場の信用残は買い27.6万株に対して売り34.7万株と大幅な株不足となり、取り組みでも売り方は窮地に追い込まれた。
(4)業績は第3四半期に劇的に好転し、1株利益は前期の赤字1,294円から今期は190円の黒字に大逆転する予想である。
(5)業界トップの武富士を倒産に追い込み、サラ金業界を苦しめた「過払い利息返還請求訴訟」が急減した。予想利益は増額修正の可能性が高い。
(6)PER10倍は割安。

(二)アイフル。
アイフル

(1)前期は1株利益が134円の赤字であったが、今期予想は四季報79円、野村證券100円へ、共に黒字大転換を予想している。
(2)過払い利息返還訴訟が急減し、弁護士事務所による訴訟代行のテレビCMが急減した。利益の増額修正も期待できる。
(3)私は、予想PER2倍以下はあまりにも割安だと再三指摘したが、株価はようやく騰勢を鮮明にした。
(4)割安の最大の理由は公認会計士の「限定」意見にある。限定意見付きでは機関投資家が買えないが、逆に限定意見が消えれば急騰するだろう。
(5)前回に私は、浮動株比率がわずか4.9%にかかわらず、出来高が多すぎる点が不可解だと指摘したが、外資系D証券が5,000万株の借り株を調達して空売りしているという情報が浮上した。もし事実であれば、早晩買い戻しによる株価急騰も予想される。

(三)Jトラスト。
Jトラスト

(1)倒産したロプロと武富士を買収していたから、サラ金関連株との評価が浮上して株価が急伸した。
(2)330億円の保証業務を継承しているが、前記のサラ金2社に比べると営業収益(売上高)は小さい。経営者がサラ金業務を拡大するかどうかも不明である。
(3)当社の本業はM&Aで、会社売買による利益が収益の中心である。ロプロ・武富士を再生して転売する可能性もある。
(4)しかし転売した場合でも大きな売却益を計上すると思われるから、M&Aの実力が評価されて買い要因となるだろう。

 II。ダイハツディーゼルに好機。

(1)東京電力が先週、石油相場の高騰を受けて電力料金の値上げを発表した。原発依存度が48%に達する関西電力も停止中原発の再稼働が遅れた場合は大幅値上げが避けられないと表明している。
(2)電力を使用せざるを得ない中小企業にとって電力料金の高騰は死活問題である。石油相場の高値が続けば小型で安価な自家発電設備の需要増加が予想される。
(3)ダイハツディーゼルは船舶用小型ディーゼルエンジンで世界一である。収益力も高く、PERは6倍と割安である。
(4)船舶向けのため小型で燃費効率が高いから、昨年の東北大災害突発時には需要が急増した。
(5)チャートは着実に下値を切り上げて、一目均衡表の雲を突き抜けそうに見える。電力料金と石油相場の行方に注目したい。