2012/3/19

  2012年3月19日(月)
  I。仕手株から優良株へ。
  II。底値圏脱出の3銘柄。

 I。仕手株から優良株へ。

(1)前回に私は、五分咲きの梅の花に例えて「日経平均は今まさに開花期を迎えたが、利食い千人力」だと述べた。
(2)また、私はかねてから「日経平均が新しい上昇波動に入るとき、最初に市場をリードするのは常に仕手株である」と述べてきた。
(3)しかし先週は、仕手株が急落する一方、優良株が急騰して、相場の主流はダイナミックに交代した。
(4)すなわち、業績好転の優良株が相場を牽引する本格的な上昇局面に入り、業績軽視の仕手株は戻り売りに転じた、と思う。
(5)円相場の天井形成も優良株相場を支援するだろう。

 II。底値圏脱出の3銘柄。
富士フイルム週足
オリンパス週足
アコム週足
(一)富士フイルム。

(1)フィルムで世界1のコダックが倒産したが、富士フイルムは業態のモデルチェンジを断行し、新規事業を次々に軌道に乗せた。
(2)チャートの株価は大底圏離脱が鮮明で、本格上昇がスタートしたと見える。
(3)材料面では、第1に傘下の富山化学が昨年3月に厚労省に薬価申請したT-705の認可が近づいてきた。新型インフルエンザ、おたふく風邪、C型肝炎など、各種感染症に有効で、超大型新薬の呼び声が高い。
(4)第2に、オリンパスの第3者割り当て増資の新株取得に成功すれば、1兆円の買収資金を用いて企業買収に進む可能性がある。

(二)オリンパス。

(1)先週、ゴールドマンが不祥事で見送っていたレポートを再開し、1,400円の目標株価を設定した。これを受けて株価は底値圏脱出を鮮明にした。
(2)オリンパスは4月20日の臨時株主総会を控えて1,000億円の優先株を発行し、毀損した自己資本の修復を図る。
(3)優先株を取得した企業は筆頭株主となり経営権を握ることができるから、富士フイルム、ソニー、テルモ等が水面下で争奪戦を展開している。
(4)割当先は3月中に決定する見込みで、株価に新たな思惑が生れるだろう。

(三)アコム。

(1)昨年高値1,880円を抜けば株価は青天井で、チャート上の次の節目は4,000円台(08年)となる。ちなみに上場来高値は14,830円(99年)である。
(2)アコム自身は昨年の第3四半期決算で今期1株予想利益を269円と発表した。予想PERは6.3倍と、きわめて割安である。
(3)3月17日付日経はサラ金大手の融資残が増勢に転じたと報じており、既報のアイフルと共に経営環境が好転している。
(4)三市場の取り組みは売残44.3万株、買残25.7万株で、大幅な株不足となっている。
(5)時価総額は2,715億円と大きいが、木下一族が発行株式数の40%を握り、三菱UFJ信託等の持ち株を併せると、浮動株は0.5%に過ぎない。
(6)意外高もありうる。