2011/11/28

  2011年11月28日(月)
  オリンパスに新たな買い指標。
  「四空」に次いで「離れ小島」が出現。

オリンパス日足
(一)「三空に売り無し」。

(1)11月14日付けで、私は「三空に売り無し」の格言を掲げて、三空はおろか四空を演じたオリンパスを売ってはいけない、リスクが大きいと指摘した。
(2)格言はズバリ的中した。四空を記録した後の大反騰をチャートで確認願いたい。株価は一転してストップ高を連発し、一気に四空を埋めた。

(二)「四空」に次いで「離れ小島」が出現。

(1)そればかりかチャートは「四空」に続いて「リバーサルアイランド(離れ小島)」を形成した。またしても重要な買い指標が出現したのである。
(2)赤線で示した12日間の日足をご覧頂きたい。
(3)11月7日に1,034円から四空を記録して暴落した株価は、500円で底入れするや、ストップ高を連発して暴騰し、11月24日には1,034円を奪還した。
(4)その結果、赤で表示した12日間に記録した3.3億株の巨大な出来高があっという間に離れ小島に取り残された。
(5)リバーサルアイランドを確認した25日には株価が早くも上放れた。

(三)株主代表訴訟に関する投資家の誤解。

(1)前回に私はニューヨークタイムズとロイターの軽薄な報道をとがめたが、オリンパスの第三者委員会は即座に「3,750億円が闇社会に流れた事実はない」と公式に否定した。
(2)しかし、25日にはザラバでオリンパスが「海外で新たな株主代表訴訟が準備されている」と発表し、株価は一時急落する局面があった。
(3)ところが株主代表訴訟についても、マスコミと投資家の理解の仕方に重要な間違いがある。
(4)以前にも指摘したが、商法267条は株主代表訴訟の対象を取締役と監査法人の二者に明快に限定しており、オリンパスとオリンパスの株主はいかなる経営責任も負わないのである。
(5)すなわち株主代表訴訟は、「本来は会社が取締役の経営責任を追及するために起こすが、経営者と会社とのなれ合いを防ぐために、会社に代わって株主が会社に損害を与えた取締役と監査法人に対して起こす訴訟」である。
(6)商法267条の規定は世界共通だから、今回米国で起こされた代表訴訟も、目的は「オリンパスの資産を守る」ためであって、提訴の対象者は「歴代監査役37名と2監査法人」である。

(四)ゴールドマン・サックスが大株主に浮上。

(1)世界の株式市場の大勢を見れば、欧・米・日の株価は下落傾向に歯止めがかからない。その一方で、オリンパスに関しては弱気筋が問題にした弱気の根拠が次々に消滅しつつある。
(2)その結果、離れ小島に取り残された借り株と空売りは1,800万株に積み上がっており、日に日に仕手相場の様相を深めている。
(3)そんな時に世界一の投資銀行であるGS(ゴールドマン・サックス)がグループ3社でオリンパスの株式6.67%を取得したと発表した。
(4)GSは買収・合併の斡旋業務で世界ダントツの実績を誇っており、今後も買い増しを続けて買収の主導権を握るだろう。他の証券や企業が参入して株式争奪戦に発展する可能性もある。
(5)オリンパスの時価総額は6,000億円から一時は1,350億円までたたき売られたが、6,000億円と推定される買収価値は一貫して変わらない。
(6)大株主である日本生命や主力銀行は誰よりもオリンパスを熟知し、支援するべき立場にあるにもかかわらず、保有株式をなぜ安値でたたき売りしたのだろう。金融機関がその株主や受益者から背任行為と売却損に対する責任を追及される可能性はないのだろうか。