2011/11/7

  2011年11月7日(月)
  米欧に次いで日本も上放れるか。

(一)パパンドレウの老獪(ろうかい)な逆転劇。

(1)EUを悩ませたギリシャ問題は決着した。
(2)パパンドレウ首相は老獪な政治手法を用いて議会を説得し、国民投票に問うことなくなく、政権を維持した。
(3)パパンドレウがEU残留か離脱かと二者択一を迫り、議会と国民はEU残留の利益を優先したのだから、EUが提示した財政再建策を受け入れるだろう。
(4)EUは政策金利を引き下げて景気浮揚へ舵を切った。

(二)QE3を温存したバーナンキ議長。

(1)米国のバーナンキFRB議長は先週の政策会議で、金融政策を据え置いた。
(2)米国はQE3(第三次金融緩和)に踏み切るまでもなく、景気は回復過程をたどっていると見たからである。
(3)FRBは住宅ローン債権の買い取りを継続し、住宅市場のてこ入れを図った。

(三)為替政策の行方に注目。

(1)欧米の株価は高値更新の条件をほぼクリアした。日経平均の最大の焦点は為替政策の成否だろう。
(2)韓国は官民一体となってウォンを円の半値以下に誘導し、日本の主要な輸出産業を圧倒した。
(3)中国は世界一の輸出大国であるが、国家が公然と「元」を管理している。
(4)日本の高度成長時代に円が1ドル360円から80円へ大暴騰したことを思えば、通貨安を成長のテコとしている韓国と中国は厚顔すぎる。
(5)円と共にヘッジの標的となってきたスイスフランは今夏に介入を断行した。
(6)もはや世界中で円の独歩高に対する介入を批判する資格を持った国はない。
(7)政府日銀が2度目の為替介入に成功すれば、日本の景気と業績と株価は上放れる。
(8)為替政策の重要性に比べれば、TPPなんて枝葉末節に過ぎない。