2011/8/29

  2011年8月29日(月)
 NYダウと主要な商品相場の相関関係について。

(1)世界の株式市場は米・バーナンキFRB議長のジャクソンホールにおける演説(8月26日)を注視していた。
(2)バーナンキは「FRBは幅広い政策手段を持っている」と強調、第3次金融緩和の切り札を温存して、9月の連邦公開市場委員会に議論を持ち越した。先週末のニューヨーク市場はひとまずこれを歓迎した。
(3)今回は株価と商品相場の相関関係をチェックするために、7月以降の日米の株価と主要商品のチャートをまとめて比較した。
(4)NYダウは,米国の雇用の悪化、住宅価格の低迷がもたらす小幅の景気悪化説を折り込んだ。現在は年末にかけて景気が持ち直すという観測が有力となった。
(5)日本は世界で唯一のデフレ国家である。日銀が新内閣の意向を汲んで大胆な金融緩和政策を断行すれば、景気浮揚と円安と株高を同時に達成する好機となる。
(6)リビアで反政府勢力の勝利が確定的となった。石油相場は供給不安が消えて安値80ドルを割り込む可能性がある。
(7)米国のガソリン相場は石油相場と連動している。米国人はガソリンを毎月平均3回満タンにするから、ガソリンの値下がりは消費拡大に直結し、景気を押し上げる効果がある。
(8)金市場の資金量は株式相場に比べれば桁違いに小さいから、上昇スピードも速いが反落した場合のスピードも速い。NYダウが上昇軌道を回復し、石油相場が下落すれば、金相場も沈静化するだろう。
(9)シカゴ商品指数は金や石油のほか、中国の穀物や銅(電線)の需要急増も有力な変動要因となる。株式相場と商品相場の相関関係に注目して行きたい。