2011/8/8

  2011年8月8日(月)
 「夏の夜の夢」か「真夏の怪談」か。
 需給関係からモルフォの大相場説を推理する。

モルフォ日足
(一)サムスンに次いでアップルにもライセンス供与か。

(1)8月4日の引け後に、モルフォは韓国サムスン電子との間でライセンス供与の契約を結んだと発表した。
(2)5日には世界的株価大暴落に抗しきれず小幅安となったが、にもかかわらず私は底入れ、反転を示す条件がそろって来たと感じた。
(3)モルフォの傑出した画像処理ソフトについては前回に紹介した。開発力も旺盛で、モルフォが次々に繰り出す画像処理技術は即座に世界基準となっている。
(4)それゆえ私は、サムスンに次いでいアップルがライセンス供与を受けるのも時間の問題だと思う。アップルは世界1のiPhone、iPadの発売元であるが、ライバル各社がみなモルフォのソフトを導入すれば、販売競争で著しく不利となる。
(5)もっともアップルには巨額の内部留保を投入してモルフォを買収するという選択肢もあるが、アップルはこれまでも全製品を台湾で製作しており、物作りにはこだわらない。モルフォもまたソフトウエアをもってハードウエアを支配する体制を選択するだろう。

(二)モルフォの需給関係を推定する。

(1)一方、株式の需給関係では安定株主が増加して浮動株が減少する傾向が見える。
(2)しかし現在の流通株式は30万株余りであるが、ロックアップが明けて大株主の売却が可能となる10月18日以降には大口売りが集中する可能性がある。
(3)そこでモルフォの株主名簿をチェックしたところ、株式を売却しそうな大株主が意外に少ないように見えた。
(4)30万株を保有する筆頭株主のユーテックは東大のベンチャーキャピタルである。ベンチャー企業の育成で阪大や京大に後れを取った東大は、虎の子の成長企業であるモルフォを手放すわけにはいかないだろう。
(5)第2位以下の上位株主は社長、取締役、監査役、取引銀行等の経営関係者で、売る可能性は乏しい。
(6)ドコモ、NTT、パナソニック等の企業は自社開発をあきらめてモルフォの株主となり、ソフトを購入する道を選んだと思われるから、持ち株を増やすことがあっても手放すことはないだろう。
(7)それ以下の大株主は大半が1万株以下で、大きな売り圧力とはならない。
(8)一方、モルフォの魅力あふれるソフトに親しんでいるユーザーや圧倒的な開発力を熟知する情報機器メーカーの中には、モルフォ株を取得し、買い増ししたい企業が少なくないだろう。
(9)このような需給関係を反映してか、株価は先週「押し目待ちに押し目なし」の様相を呈してきた。
(10)チャートで出来高の推移をご覧頂きたい。現在、株式市場で流通している株式数は30万株余りである。上場直後に1日60万株を超えていた出来高が先週後半には20万株に急減し、週末には世界的大暴落に直面したにもにもかかわらず13万株に激減し、大引けは陽線で引けた。
(11)つまりロックアップ明けを待っていても思うように買えないと見た投資家が、先週の大暴落を株集めの好機と見た可能性がある。
(12)これらの需給関係に関する推定はすべて主観的な仮説に過ぎないが、今週以降に出来高が一段と縮小傾向をたどるようであれば株価の上昇に弾みがつく可能性がある。

※ 次回の『クラブ9・Q&A』は、8月22日(月)掲載予定。