2011/5/9

  2011年5月9日(月)
 NYダウ、金、石油は天井形成か。
 悪材料出尽くしの日本株。
 プロミスは大踏み上げも。

(一)NYダウ、金、石油は天井形成か。

NYダウ、金、石油日足

(1)チャートを見れば一目瞭然、3月以降、NYダウと金、石油が完全な相似形を描いて急騰し、急落した。
(2)米バーナンキFRB議長がジャブジャブ金融は6月で打ち止めにするが、過剰流動性はそのまま据え置くと発言して投機資金の安心買いを誘った。
(3)石油、金、銀、穀物、コーヒー等の商品相場が次々に史上最高値を更新し、NYダウが連動した。
(4)しかし先週、投機相場は自壊作用を起こし、石油、銀等の商品相場とNYダウが連鎖して反落した。
(5)過剰流動性は依然として金融市場に滞留しており、投機資金が直ちに枯渇する懸念は乏しいが、狂乱相場は天井を形成した可能性がある。当面は戻り売りとなるのではないか。

(二)悪材料出尽くしの日本株。

(1)連休中にNYダウと用品相場は大波乱を演じたが、日経平均は東北大震災以来世界で唯一下落基調をたどってきたから、今後も独自の相場を展開するだろう。個別には意外高する銘柄が続出するのではないか。
(2)第1に、4兆円の補正予算が成立し、復興需要が本格化する。関西の建設業界からも東北地方に向けて災害復旧の人材派遣が始まった。20人単位、日給3万円、あご足、宿泊つき、と雇用条件も具体化したという。建設、資材関連株は理想買いの1段上げから、息の長い業績買いの2段上げに入るだろう。
(3)第2に、企業業績は大震災の打撃を克服して下半期に回復基調が鮮明となる。自動車、電機、パーツ等主力株の回復力に注目したい。
(4)第3に、空売りが増えて信用取引の貸借が接近している。仕手相場に発展する銘柄もあるだろう。

(三)プロミスは大踏み上げも。

プロミス週足

(1)2011年3月期の決算発表は5月13日の予定であるが、プロミス、アコム、アイフルのサラ金3社が4月25日に一足早く業績予想を発表した。悲観予想を修正する内容で、アコムとプロミスが反騰に転じた。
(2)プロミスの最終損益は900億円の赤字となるが、これまでに証券6社が予想した業績を大幅に上回った。
(3)野村證券のみは前期に3,000億円の赤字を予想した上で今期の黒字転換を予想、目標株価を1,050円とする強気レポートを発表していた。
(4)しかしメリルリンチ、大和証券等5社は昨年10月の武富士倒産直後に一斉に連鎖倒産を予想したから、株価は11月1日に304円まで大暴落した。その後は空売りが激増して本格的な仕手相場に発展し、現在も逆日歩が点灯している。
(5)プロミスは利息返還訴訟に備えて前期に十二分の引当金を積んだ上で3,000億円近い純資産を残したと私は推定する。今期の黒字転換と復配は確実だろう。
(6)さらに5月13日の決算発表当日には、三井住友銀行が公約通り大幅な第3者割り当て増資の引き受けを発表するだろう。
(7)メーンバンクの支援体制が確立し、黒字転換、復配が確定的となれば、売り方は窮地に追い込まれる。
(8)チャートの株価は戻りの節目を次々に突破し、2月高値889円の奪還をめざしていると見える。