2010/12/20

  2010年12月20日(月)
  推奨4銘柄の直近情報。

(一)新興市場に活を入れたイー・ガーディアン。

イー・ガーディアン

(1)イー・ガーディアンが期待に違わず、鮮烈なデビューを飾った。
(2)上場直後に筆頭大株主が持ち株を売却したが、予想された最大の悪材料が消滅したことによってかえって安心買いをさそった。
(3)今後は安定株主の増加が上昇力の強さを決めるだろう。
(4)アメリカではネット関連株が牽引するナスダック指数が、ニューヨークダウの上昇を大幅に上回っている。日本でもイー・ガーディアンに刺激されて新興市場のネット関連株がピン付いた。久々に小型成長株人気が復活したと見える。

(二)日本ケミカル(JCR)に変化の兆候。

(1)株価は6月に高値1,590円を記録した後、期日売りに押されて値下がりしたが、ここへ来て底入れが鮮明となった。ゴールデンクロスも目前である。
(2)先週、日本ケミカル(JCR)の評価に二つの変化が現れた。
(3)第1に、四季報最新号で沢井弘行・沢井製薬会長が大株主に登場した。沢井会長は先にキョーリンHDの株式を取得し、経営統合による新薬の共同開発を提案して話題を集めている。
(4)第2に、複数のアナリストがJCRの格付けを開始した。JCRが世界で初めてバイオ技術を用いた超大型新薬エポエチンアルファの開発に成功し、7月に発売を開始したからだろう。
(5)エポエチンアルファが対象とする腎性貧血治療薬市場は国内1,100億円、海外1兆円の巨大市場で、年率10%で拡大している。内外とも2社が独占する市場にJCRは第3勢力として参入した。
(6)その有望性は世界第2位の巨大製薬会社である英グラクソ・スミスクラインの急接近が明快に証明している。すなわちグラクソは、1. 20億円の特許料を払い、2. 株式25%を取得、3. グラクソの会長と技術担当をJCRの取締役に派遣、4. 新薬開発で全面提携、5. 海外1兆円市場の販売権を取得、と一気呵成である。
(7)国内市場ではキッセイ薬品が7月に販売を開始した。海外市場の販売開始は来年になる。年商145億円、大証二部のJCRは、年商3.7兆円,世界第2位のグラクソの販売力を得て、来期以降は売上高が倍々で激増するだろう。
(8)これに対して大和証券は目標株価を1,250円としたが、野村證券に至っては960円の売り推奨レポートを出した。ちなみにグラクソは5月に1,310円で株式を取得している。2社のアナリストはJCR芦田会長の異常に消極的な情報開示を鵜呑みにしたと思われる。
(9)私は、JCRが今年理想買いで記録した高値1,590円を、来年は業績買いで更新すると思う。

(三)富士フイルムの超大型新薬T-705。

富士フイルム

(1)業績好調で、潤沢な利益剰余金を相次いで自社株買いと増配に投入している。
(2)最大の注目材料は超大型新薬T-705の発売時期である。T-705は、新型鳥インフルエンザはもちろん、B型肝炎、C型肝炎、おたふく風邪等、すべての感染症に有効であることが臨床試験で証明されている。しかも抗生物質ではないから耐性菌が発生しない。
(3)富士フイルムは来年3月までに製造認可を申請すると表明しているが、新型鳥インフルエンザが世界各地で多発しており、成り行きいかんでは認可が早まる可能性がある。

(四)パナソニックが今週三洋電機、
   パナ電工との株式交換比率を発表する。

panasonic

(1)パナソニックは三洋電機とパナ電工を来年4月1日付けで合併する。
(2)直接買収に応じた三洋電機とパナ電工の株主は50%で、残り50%の株主はパナソニック株式との交換を希望した。
(3)その交換比率は今週にも発表の見込みである。交換比率が決まればパナソニックの株価が上放れる可能性がある。
(4)大合併を断行したパナソニックはリチウム電池と太陽電池を中核事業に据えて、日本で唯一韓国サムスンとの競争に勝ち抜く体制を固めた、と私は思う。