(一)パナソニック、富士フイルム、日本ケミカルの日足。 |
(1)3銘柄は、株式市場の波乱を乗り切って上昇軌道を回復しつつあると思う。
(2)パナソニックは三洋電機を買収し、富士フイルムは富山化学を買収して新しい成長分野を構築した。日本ケミカルは事実上英グラクソの傘下に入って、大変身を約束された。
(3)以下にこれから買収や新しい大株主の登場がどこまで業態を変えて行くかを検証したい。
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(二)成長株投資の手法と論理。 |
(1)私は終始一貫して成長株投資主義である。
(2)投資家によっては配当利回りに着目する人もあれば、景気や業績や人気のサイクルを捕らえて短期の利ざやを稼ぐ人もある。しかし私は、対象銘柄を成長株に絞り込んで中長期で大幅な値幅を取る手法を愚直に追求している。
(3)成長株に投資するためには、銘柄の絞り込みが重要で、材料と業績の進捗状況を追跡し、検証して行く必要がある。
(4)投資期間は中期(2〜3年)又は長期となるが、材料が表面化し、周知の事実となれば利食いも一策となる。
(5)大型の利益成長株を発見するのは容易ではない。私の基準では1年に1〜2銘柄があるかどうかである。
(6)クラブ9の現在の注目株は、パナソニック、富士フイルム、日本ケミカルの3銘柄である。
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(三)パナソニックについて。 |
(1)私は長期間、三洋電機の電池事業に注目してきた。
(2)三洋電機はパナソニックに買収されたが、パナソニックは新しい中核事業に三洋電機のリチウムイオン電池と太陽電池を据えた。それゆえ、現在はパナソニックに注目している。
(3)日本の電機株は、テレビ、液晶、半導体等、主要な事業で韓国のサムスンに主導権を奪われた。ソニーもシャープも主力の液晶テレビが赤字となり、サムスンの1人勝ちを許している。
(4)当然ながらサムスンは21世紀最大の巨大成長市場と見込まれる自動車電池で三洋電機追撃の姿勢を鮮明にしている。しかし三洋電機を買収したパナソニックは競争力を大幅に強化した。直近でもトヨタや米テスラがパナソニック陣営に参加し、圧倒的な多数派を形成した。
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(四)富士フイルムについて。 |
(1)私は長期間、富山化学を注目銘柄に挙げてきた。
(2)その富山化学を、製薬市場進出を狙う富士フイルムが買収した。
(3)富山化学の新薬開発はその後も順調に進展している。
(4)来春に認可が見込まれるT-705はすべての感染症に有効で、超大型新薬の呼び声が高い。
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(五)日本ケミカルについて。 |
(1)今年7月に販売を開始したバイオ新薬エポエチンアルファは、第2四半期の3ヶ月で初の売上高7億円を計上した。
(2)私はエポエチンアルファの今期売上高を30〜50億円程度と予想するが、海外1兆円市場に参入する来期以降は桁違いの増収、増益を実現するだろう。
(3)その有望性は製薬業界世界第2位の英グラクソ・スミスクラインとの電光石火の全面的提携が明快に証明している。グラクソは今年、日本ケミカルの株式25%を取得して筆頭株主となり、グラクソの会長と技術担当の2名が日本ケミカルの取締役に就任した。
(4)グラクソの前期売上高は3.7兆円で、日本ケミカル(144億円)の250倍である。私は日本ケミカルにどんな変化が起こっても驚かない。 |