(1)株価反落の理由は第1に、一本調子の上げに対する調整。第2に、四季報の来期大幅減益予想に対する失望、だろう。
(2)国内で当社の腎性貧血治療薬「アルファJCR」の販売を担当するキッセイ薬品も減益予想となった。私が両社に問い合わせたところ回答は同じであった。1.来期の業績は四季報サイドの予想であって当社が出した数字ではない。2.四季報の来期予想には「アルファJCR」の売上高は含まれていない。3.同新薬は4月の薬価収載を待って発売する。4.薬価が確定しない段階で売上高、利益を予想することはできない。5.今期の決算を発表する5月に、来期の業績見通しを発表したい。
(3)私が業界筋から集めた「アルファJCR」の前評判は次の通りである。1.国内の市場規模は1,100億円で、2.中外とキリン協和の2社寡占市場である。3.薬価は後発薬の場合30%程度下がる。4.厚労省は単価の低い後発薬の販売が増加することを期待している。5.「アルファJCR」は3分の1程度のシェアを取る可能性がある。
(4)海外では、1.市場規模は1兆円。2.ロシュとアムジェンの2社寡占市場に 3.当社と提携したグラクソが参入する。4.海外の薬価は日本に準じるだろう。5.発売は日本と同時期になる国と、遅れる国がある。6.製薬業界で世界第2位のグラクソの販売力は強い。
(5)将来は武田薬品などの後発薬が参入すると思われるから、売上高のピークは2年後と見た方が無難だろう。しかし当社は従業員の40%以上が新薬の開発に従事する開発型企業だから、潤沢な利益の再投資によって開発力が加速する。
(6)それにしても内外1.1兆円という市場は当社の年間売上高142億円の70倍を超える超巨大市場である。11年3月期にシェア10%を取れば1,100億円。薬価を7掛けとし,さらに当社の手取りを半分と見て売上高は2.5倍に激増する。当社はすでに設備投資を完了しており、固定費はあまり増えないから、増益率は増収率を大幅に上回るだろう。
(7)私は来期の市場シェアを控えめに10%と見たが、来々期は20%を超えるだろう。どのように試算しても日本の株式市場で空前の増収率となる。
(8)以上は私の試算に過ぎないが、来期の中間決算がまとまる10月頃には具体的な数字が見えてくる。
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