(1)エコノミストは、今回は100年に1度の不景気だから、不況は3年は続くと主張していた。マスコミは弱気論の報道を競い、株式市場を弱気論が支配していた。
(2)しかし景況感が悪ければ悪いほど、政府は財政投融資を拡大し、中央銀行は金利を下げて資金をジャブジャブに緩和する。政治もまた100年に1度の不況を防止する政策を集中した。
(3)それゆえ私は「不景気の株高」が始まったと述べているが、エコノミストは誰も「不景気の株高」を認めない。
(4)株高は地価や物価を刺激し、インフレを誘発する。私は、現在の上昇局面は単なる中間反騰ではなく、本格反騰への第1歩だと思う。
(5)1920年代に始まった大恐慌を分析してケインズが「雇用・利子及び貨幣の一般理論」を著し、政府が有効需要を創出すれば不況を克服できると述べた。世界の政府が一斉に財政投融資を積極化したのは有効需要を創出するためである。
(6)今日では、中央銀行の金融政策もきわめて重要な役割を果たしている。特にFRBのバーナンキ議長はインフレ目標論者である。金融政策の目標を、デフレを阻止し、インフレに誘導する、と述べてジャブジャブ金融を推進した。
(7)ケインズ以後、不況下でも「不景気の株高」が出現する様になった。100年に1度の不況といえども例外ではない、と私は思う。