2008/11/10

  2008年11月10日(月)

(一)東京市場は逆三尊の底値を形成。


(1)チャートを見れば一目瞭然、日経平均とニューヨークダウは逆三尊型、又はW型の典型的な大底を形成する可能性が高い。
(2)私は特に、東京市場が連日30億株に達する記録的な売り玉を飲み込んで大底を形成した点を重視したい。日本では通常薄商いで底値を形成するが、今回は、日経平均が巨大な売り玉を浴びて暴落し、消化し、押し返した。大半の個別銘柄も同様のチャートを形成している。
(3)巨大な売りの主役は世界最大の機関投資家・ヘッジファンドであった。10月には大半のヘッジファンドが倒産の危機に瀕して玉整理を強行した。巨大な売り玉が流動性の高い東京市場に集中したから、日経平均は7,000円割れへ、一直線に大暴落した。
(4)マスコミとエコノミストは悲観論一色であったが、驚くべし。日本の個人投資家と公的年金が買いの主役に躍り出た。日本勢が外国人勢の巨大な売り玉を飲み込み、押し返したのである。
(5)11月と12月に決算月が集中するヘッジファンドは必要な株数をほぼ売り切ったと見られるから、今週以降は需給関係が好転する可能性が高い。

(二)「不景気の株高」が起こる。

(1)147ドルから60ドルに大暴落した石油相場を初め、すべての商品相場が大暴落した。財政政策、金融政策はインフレ対策からデフレ対策一本に目標を絞り込んた。
(2)決算発表で業績を下方修正した銘柄が、一斉に逆行高している。業績悪化を株価がすでに折り込んでいたからである。
(3)決算発表と同時に自社株買いを表明した企業が続出している。経営者が自社の株価は安すぎると思っているからである。
(4)パナソニック・三洋に続く買収、合併が続出する気配である。経営者が設備投資よりも業界再編成によるコストダウンを重視しているからである。
(5)自社株買いと合併買収は株式の需給関係を好転させる。
(6)日米欧の政府は結束して銀行に巨額の資本を注入し、中央銀行はジャブジャブに金融を緩和したが、資金が銀行に滞留して中小企業などに回らない。これを解決するために、政府は自動車ローンや住宅ローンを扱う金融機関に資本を注入し、中央銀行はコマーシャルペーパーを買い取って資金を直接企業に供給する体制を固めた。
(7)銀行に積み上がった資金が産業界にあふれ出るのは時間の問題である。間もなくカネ詰まりはカネ余りに変わり、「不景気の株高」が起こると私は思う。

(三)ダイワボウに注目。

(1)チャートはW底を形成している。
(2)日証金の株不足が拡大している。
(3)先週、今3月期の業績予想を大幅に上方修正した。営業利益は17億円から46億円へ、経常利益は25億円から47億円へ、純利益は15億円から21億円へ。
(4)10月30日付ホームページで、新型鳥インフルエンザ防止用マスクの新製品「アレルキャッチャー」を開発したと報じている。
(5)2年前に新型鳥インフルエンザ対応マスクを初めて発売した時には株価が800円台に急騰しただけに、新製品、新技術に関する今後の情報開示に注目したい。