(1)先週末に今期の予想利益を23%減益と発表し、株価が急落した。
(2)9月中間決算も固まらないうちに来年3月決算の減額修正を発表した経営者の意図が不明である。
(3)財務内容から見た株価は異常な割安圏に下落した。今回の株価急落で時価総額は1.5兆円に縮小し、純資産2兆円を20%以上も割り込んだ。その一方で利益剰余金を2兆円も積み上げている。
(4)今もし2兆円の利益剰余金を担保に敵対的買収を仕掛ければ、巨大優良企業をタダで完全買収した上におつりまで来る。買収して下さいと言わんばかりの株価である。富山化学を買収した経営者が、自社の買収防衛に無関心だとは思えない。
(5)外国人株主は47%に達している。経営の視点から見れば、2兆円の利益剰余金を敵対的買収に利用される前に、自衛のための自社株買いに投入するのは常識だろう。その時期は近いと私は思う。
(6)大材料もある。当社が傘下に入れた富山化学では、新型鳥インフルエンザ特効薬 T-705 を初め、アルツハイマー治療薬 T-817MA 等、超大型新薬のフェーズ2が順調に進行している。それらは当社の業態を一変させるに十分なパワーを秘めている。