2008/8/7

  2008年8月7日(木)
  クラブ9番外編<アジアメディア続報>。

(一)抗議を受けたクラブ9。

(1)8月4日付、クラブ9の「アジアメディアをしゃぶり尽くした国際的詐欺横領事件を推理する」に対して、馬克和CEOの代理人である弁護士・鈴木康之氏から次のような抗議文を受けた。
(2)馬氏がアジアメディアのCEOに就任したのは、詐欺疑惑問題が発生した最近で、上場時においては無関係のビジネスを手がけていた。
(3)アジアメディア上場に関して馬氏が関与した事実はない。
(4)馬氏は04年から1年半、野村證券の従業員であったが、野村香港の従業員ではなかった。
(5)クラブ9は、事実関係を無視し、馬氏の名誉を著しく侵害している。
(6)従って、8月4日付クラブ9の削除を求める。
(7)クラブ9は事実関係を確認の上、賢明なご対応をされたい。

(二)クラブ9の返信。

(1)アジアメディアには電話が通じないから、事実関係を確認する方法がない。それゆえ文中で再三「推定である」と断っている。
(2)しかし抗議文は、早急にクラブ9に掲載する。
(3)私は馬氏が04年に野村證券に入社して、1年半在籍されたことを確認したが、電話が通じないので野村本体か、野村香港かを確認することができなかった。
(4)しかし馬氏は07年9月にアジアメディアの在日副代表に就任しているから、少なくとも07年12月に行われた増資に関して責任がある。
(5)クラブ9は投資家の視点で、投資家保護のために発言するコラムである。
(6)東証の上場審査はきわめて厳格である。東証と野村證券が崔CEOの経歴のうち、海豚との関わりを見逃した理由が、私には現在も理解できない。
(7)直近の日経ビジネスは海豚について詳報しているが、この程度の審査が野村證券と東証に出来なかったとは思えない。
(8)それゆえ私は、きわめて親密な人物がアジアメディアを野村證券に紹介して崔氏を信用させたとのではないかと推察した。しかし紹介した人物が馬氏だという事実は確認できない。

(三)8月4日付クラブ9を一旦削除する。

(1)東京証券取引所を舞台に、前代未聞の犯罪が行われて、投資家が大きな損害を被ったことは事実である。
(2)野村證券と東証は、上場後1年未満に発生した上場会社の犯罪について審査責任を免れることはできない。投資家はほおかぶりを許さないだろう。
(3)馬氏と野村證券との関係は現状では確認する方法がない。
(4)それゆえ一旦8月4日付クラブ9を削除し、後日を期したい。
(5)もし北京市当局が東証の告発を受け入れた場合は、事件の全容が明らかになるだろう。
(6)しかし北京市に下駄を預けるまでもなく、東証と野村證券は現在までに知り得た情報を、上場廃止を決定する前に、投資家に開示する責任がある。
(7)責任の所在と経営の実態が不明のままで、投資家は持ち株を売却するかどうかを判断することさえ出来ない。