2007/6/18

  2007年6月18日(月)
  暴落から、底入れ、反騰へ。大転換した新興市場。
  好材料に素直に反応したGCAとネクスト。

(一)底入れ鮮明の新興3市場。

chart

(1)チャートは新興3市場の週足である。
(2)私は3週連続して新興3市場の底入れを予告し、「初めは処女の如く」であるが、「終わりは脱兎の如く」急騰するだろう、と述べた。予想通り、新興3市場は暴落、底入れから、反騰への大転換を鮮明にした。
(3)第1に、前3月期の決算発表が終わり、1年間にわたって新興市場を恐怖に陥れた公認会計士の会計監査による下方修正が一巡した。 もはや予想外の悪材料が飛び出す心配がない。
(4)第2に、前期に評価損を落としすぎた反動で、今期は評価益が表面化する銘柄が少なくない。
(5)第3に、これまでは業績好調の味噌も、業績悪化の糞と一緒くたに売られたが、先週15日には業績好調のGCAとネクストが好材料に素直に反応した。
(6)第4に、業績が悪化した糞も、ありとあらゆる悪材料を織り込んで、下値を切り上げている。
(7)これまでは味噌も糞も一緒くたに大暴落を演じたが、ここからは味噌も糞も一緒くたに上昇する局面に転じる。
(8)元々業績が良かった味噌に属する銘柄は高値を更新し、さらに下げ幅の倍返しを目指すだろう。
(9)業績悪化でたたき売りされた糞に属する銘柄でも、底値から3分の1戻りが目標となる。10分の1、20分の1に大暴落した後だけに、 3分の1戻りでも値幅は大きく、投資効率が高い。
(10)私は先週、新興3市場の中からGCA、ネクスト、T-ZONE HD、アジアメディアの4銘柄を注目株に上げた。15日には早くもGCAとネクスト の好材料が表面化したので、次項でその材料を吟味したい。

(二)ネクスト(マザーズ・2120)。

(1)15日発売の四季報は、ネクストの前期、今期、来期の経常利益を7.2億円、15億円、25億円と記載している。増益幅の大きさを確認したから、人気化は必至だろう。
(2)ネクスト井上社長の著書『普通の人が上場企業を作る40のヒント』を読んだ。リクルート出身社長が新規上場企業の20社以上を占めて評判となっているが、井上社長も江副塾の出身らしく、経営の目標が斬新、明快でわかりやすい。
(3)ネクストの不動産情報「HOME'S」を検索すれば、短期間に業界最大のサイトに躍り出た理由と将来の成長力が推察できる。
(4)日本の不動産の時価総額は2,000兆円を超える超巨大市場である。それゆえ不動産と不動産関連市場はこれまでに最大、最多の成長企業を輩出した。
(5)クラブ9は古くはゴールドクレストから最近のリプラスまで、上場直後に有望性を指摘し、大化けの予想を的中させた。ネクストは久々に不動産関連市場から出現した大型新人である。
(6)新興市場全体の急落のあおりを受けてネクストも出鼻をくじかれたが、それゆえ買いの好機だと思う。

(三)GCA(マザーズ・2126)。

(1)15日にGCAの100%子会社であるメザニンが初の30億円の投資を実行したと発表し、株価が急伸した。
(2)GCAは今期で会社設立後4年目に過ぎないが、早くも30億円の経常利益を予想している。
(3)M&Aは欧米の株式市場で最大の成長分野となったが、法整備が遅れた日本では今年が成長元年となる。
(4)メザニンは企業買収に伴う投融資業務で、M&A関連ビジネスの中でも利益率が最も高い。アメリカにおけるメザニンの市場規模は5,000億円以上であるが、日本ではこれから成長が期待される新しい分野である。
(5)メザニンは687億円の資金枠を確保している。第2、第3の実績が加われば、GCAの利益が大幅に増額修正される。
(6)もちろんGCAは本業のM&A関連でも次々に話題を提供し、その都度株価を刺激するだろう。
(7)機関投資家と個人投資家を問わず、ポートフォリオから外せない。

(四)相場観と銘柄感。

(1)世界の株価は予想通り短期間に回復し、ニューヨークダウは早くも史上最高値の更新を目前にしている。
(2)しかし日本株の相対的な出遅れは依然として解消されていない。日本の証券界は異常な弱気論に支配されているだけに、私は裏目が出る可能性が高いと思う。
(3)その徴候は新興3市場、小型株、材料株に現れてきた。
(4)外国人買いは一貫して買い越しを継続しており、いつの間にか日本の上場株式の30%を支配した。浮動株がじりじりと減少しており、日本株が弱気局面を脱出する時期が近い。
(5)福井日銀総裁が公定歩合の連続的引き上げに踏み切った時、日本の円と株価は急騰するだろう。そのタイミングを注目したい。
(6)注目株は先週と同じである。すなわち、
(7)新興市場から: GCA、ネクスト、T-ZONE HD、アジアメディア。
  材料株から: 東芝プラント、富山化学、加ト吉、大正製薬、鈴木金属。
  含み資産から: 住友金属鉱山、日清紡、王子製紙。
個別の材料は逐次取り上げて行きたい。
(8)強気を堅持した甲斐があって、クラブ9の推奨銘柄にも出番が回ってきた。
(9)注目銘柄は前回と変わらない。個別の情報は逐次追加したい。