2007/6/11

  2007年6月11日(月)
  世界の金融市場を制覇したユダヤ資本の日本買い。
  円安・株安・土地安から、円高・株高・土地高へ。

chart_kabu
(一)世界の主要な株式市場の週足。

(1)世界の主要市場の株価をご覧頂きたい。先週はひやりとする波乱があった。
(2)チャートは週足であるが、欧米は7日(木)現在である。
(3)週末の8日(金)には、ニューヨークダウは下げ幅の40%を回復し、ナスダック指数も追随した。波乱は短期間に終息する気配である。
(4)波乱のきっかけはユーロの政策金利引き上げである。これに連鎖して世界各地で市中金利が高騰し、アメリカの長期金利は5%、日本も2%に突っかけて、ここ数年間の最高水準を記録した。
(5)市中金利の高騰を受けて、アメリカでは利下げ論から利上げ論に一変し、世界同時株安の引き金を引いた。
(6)しかし金利の上昇は景気好転の結果であり、株式にとってはむしろ好材料である。
(7)世界の株価は連日の新値更新でスピード違反の懸念が高まり、自律調整を必要としていた。上昇基調は不変だろう。
(8)私は日本の市中金利の上昇に注目したい。日銀の公定歩合引き上げを催促しており、円高、株高に発展する可能性が高まったと思う。

(二)ソロスと伊藤忠。

(1)ジョージ・ソロスがブラジルで土地9億ドル(1,100億円)に投資した。
(2)ソロスは世界で初めてヘッジファンドを創始した老雄であるが、先見性は健在と見えた。ソロスの盟友であったジム・ロジャーズは10年以上前に商品相場の大高騰時代が来ると予言し、現在もその主張を一貫している。ソロスはジム・ロジャーズの助言をうけてブラジルの農地に投資したと思われる。
(3)伊藤忠もブラジルでエタノールの生産に乗り出すと発表した。エタノールはトウモロコシやサトウキビから生産する無公害ガソリンである。
(4)ソロスと伊藤忠はガソリンの代替燃料であるエタノールの成長性に着目してブラジルに投資したが、投資対象が全く違っている点に注目されたい。
(5)すなわち、ユダヤ資本のソロスは農地を買収し、日本資本の伊藤忠は生産設備に投資した。
(6)どちらが良いか悪いかよりも、両者の間にはユダヤ人か日本人か、金融資本か工業資本か、という民族の歴史と資質に由来した違いがある。
(7)現に、過去100年間に日本人は製造業で世界を制覇し、ユダヤ人は金融業で世界を制覇した。次項でその相違にふれておきたい。

(三)日本の不動産に投資するユダヤ資本。

(1)欧米の主要都市で、不動産相場は1995年以降、毎年連続して史上最高値を更新している。これに対して日本の不動産相場は1990年に大暴落を演じて以来、長期にわたって不動産不況が継続し、東京でさえ4〜5年前にようやく底入れしたばかりである。
(2)不動産相場の暴落に加えて、過去数年間に円はユーロに対して60%、ドルに対して30%も暴落した。
(3)その結果、ヨーロッパやアメリカから見れば日本の不動産は半値以下に大暴落したのと同じ結果が生まれている。国際的なユダヤ資本が世界で最も割安な日本の不動産と株式に注目したのは当然である。
(4)ユダヤ資本は竹中大臣の不動産敵視政策に乗じて暴落した日本の不動産と株式に集中投資し、現在まで一貫して買い進んでいる。彼らはいつの間にか日本の上場株式の30%を取得した。不動産でも買い占めが着々と進行している。
(5)マスコミは円安のおかげで輸出企業の利益がいくら増えるかという計算に熱心であるが、ユダヤ資本は円安を好機として日本の不動産と株式を買いあさっているのである。
(6)竹中大臣は不動産や株式の含み益に頼る経営を時代遅れだと断定し、借金の多い企業を片端から倒産させた。しかしユダヤ資本はその時暴落した不動産と株式を一手に買い向かった。例えば彼らは400近いゴルフ場をタダ同然で買収し、2つのゴルフ場運営会社にまとめて株式市場に上場した。彼らは上場によってゴルフ場の買収資金を回収した上に、現在はゴルフ場の年会費を倍額に値上げしている。
(7)日本のエコノミストは先に竹中大臣の不動産強制売却を支持し、現在は日銀のゼロ金利政策を支持している。ユダヤ人が世界の市場を一望に見渡して最も割安な日本の資産を買いあさっているときに、日本のエコノミストは日本という小さなコップの中でしか景気を論じない。これでは世界の金融市場で日本資本はユダヤ資本 に太刀打ちできない。
(8)円安から円高に転換したとき、ユダヤ資本は日本の不動産や株式への投資で大もうけし、又しても高笑いするだろう。

(四)円安から円高へ、転機は近い。

(1)日本企業の国際競争力の圧倒的な強さは巨大な貿易黒字が明快に証明している。
(2)その日本の円が、世界で唯一独歩安の大暴落を演じた理由もまた明快である。すなわち世界中で金利が高騰している時代に、日銀だけがゼロ金利政策を継続しているからである。
(3)水が土地の低い方に流れるように、通貨は金利の高い方に流れる。愛国心が強い日本人でさえ、ゼロ金利に愛想をつかして50兆円もの資金を外国の通貨に投資しているのである。
(4)もし日本人が蓄積した750兆円の預貯金に欧米並みの4%の利息が付けば、日本人は30兆円の利息がもらえるから、消費が伸びる。株式投資や住宅投資が増えて景気が良くなる。
(5)世界中の市民がインフレによる好景気を謳歌している時に日本人だけ気勢が上がらないのは、日銀が公定歩合を上げないからである。
(6)しかし先週、長期債の金利は2%に突っかけた。明らかに日銀に公定歩合の早期引き上げを促している。いくら日銀が優柔不断でも金融政策の大転換は近い。
(7)日本の円と株価は欧米ばかりか、すべてのアジア諸国に対しても割安である。通貨が上がった国では株が高い。土地も高い。日本も円高に転じれば強い通貨を求めて外国人買いが増加し、株式と不動産が値上がりするだろう。

(五)相場観と銘柄感。

(1)私は日銀の金融政策の転換が近いと思うから、世界で最も割安な日本株が広範囲に物色されると思う。
(2)新興市場、小型株、材料株等、人気銘柄が多彩になり、クラブ9の銘柄群も出番を迎えるだろう。
(3)新興市場から、GCA、T-ZONE、ネクスト、アジアメディア。
(4)材料株から、東芝プラント、富山化学、加ト吉、大正製薬、鈴木金属。
(5)含み資産株から、住友金属鉱山、日清紡、王子製紙。(王子製紙は保有する広大な山林の資産価値が見直される。)