2006/12/25

  2006年12月25日(月)
  株を枕に越年したい材料と銘柄。

(一)「掉尾の一振」から「株を枕に越年」へ。

(1)12月にはオイルマネーがようやく日本に流入し、需給関係が一変した。
(2)しかし現在はまだ下げすぎた日本株の構成比を増やす「ポジション調整」の段階だから大型株に集中している。来年には次第に中小型の個別銘柄にも広がるだろう。
(3)一方、日本の証券会社のディーラーは買い玉を来年まで持ち越す権利を与えられていないから、年内受け渡しの26日までは売り先行となる。
(4)しかし翌年受け渡しとなる27日以降には売り手が減って値動きが軽くなり、「掉尾の一振」が期待できる。
(5)リスク覚悟で「株を枕に越年」する個人投資家にとって、25、26日が突っ込みを買うチャンスとなる。
(6)クラブ9の既報銘柄から、新春に期待をつなぐ注目点を上げておきたい。

(二)GCA。

(1)現在進行中の複数のM&Aに当社が関与しているという噂がある。
(2)M&Aビジネスに関して当社は中立的な株主構成、国際的な人脈、実績とノウハウの蓄積、豊富な人材等、すべての面で大手銀行、大手証券を凌いでいる。
(3)来年は日本も本格的なM&A時代に突入する。新年早々から当社関与のビッグニュースが次々に飛び出す可能性がある。
(4)来年のポートフォリオに欠かせない。

(三)アストマックス。

(1)当社は15日に「三井物産フューチャーズの株式の取得(子会社化)に関する交渉開始についてのお知らせ」を開示した。
(2)小が大を飲む買収が実現すれば、アストマックスの業態が一変する。
(3)私は数週間前に当社株の異常な暴落をみて突っ込み買いの好機だと述べたが、その直後にストップ高に次ぐストップ高を演じた。今回開示された情報は人気の強さを裏付けている。
(4)リスク覚悟で初夢にかける価値がある。

(四)鈴木金属。

(1)大化けの素質があるという前回の指摘が間違いでなかったことを喜びたい。
(2)今どき、新製品を開発したとはいえ、新工場を二つも立ち上げるという話は滅多に聞かない。
(3)親会社の新日鐵は株を買い増しし、資金をいくらでも出す構えである。鈴木金属に対する期待の大きさがうかがえる。
(4)来期に新工場がフル操業となり、値上げが通れば、収益力は様変わりとなる。
(5)1年単位の射程で大きな果実を狙いたい。

(五)T-ZONE。

(1)臨時株主総会で資本準備金を利益準備金に振り替えた。合計200億円のキャッシュをどの企業に何処まで投資するかが注目点である。
(2)これまでは連結決算で持ち分に見合う利益を計上してきた。
(3)しかし複数の銘柄で持ち分が純投資の限界を超える水準まで増加しており、事実上買収の領域に踏み込んだ。
(4)日本のスチールパートナーズとなる可能性がある。当社自身と理研ビタミン、日本管財等の投資先企業に注目したい。

(六)富山化学。

(1)22日付日経夕刊は1面で驚くべき情報を伝えた。「新型インフルエンザ拡大防止へ指針」「食料2週間分各自で確保を」「厚労省、外出回避促す」等の見出しで、厚労省は「行政に対して感染拡大を防ぐ早期封じ込め政策や、抗ウイルス薬の供給体制づくりを求める」「国内で流行した場合、最大で国民4人に1人、3,200万人が感染すると試算。17万人〜64万人が死亡する恐れがある」と報じている。
(2)ユタ州立大学と当社は10月26日に日本感染症学会、日本化学療法学会の合同会合で当社の抗ウイルス剤T-705が新型鳥インフルエンザに有効であるとの発表を行った。さらに中間決算報告書で日本の厚労省とアメリカのFDAからフェーズ I 入りの認可を受けたと示唆している。
(3)また先週からNHKが認知症に関する大がかりなキャンペーンを始めた。認知症は病気であると断定した上で、アリセプト(エーザイ)のように一時的に進行を止める新薬が開発されたが、現在は内外で本格治療のための新薬開発を競っていると報じている。
(4)当社のT-817MAは認知症の治療薬として年内にフェーズ I を終了する予定である。
(5)来年1月に当社は上記2つの新薬の開発情報を開示する予定である。新型鳥インフルエンザと認知症が共に社会的な関心を集めているだけに、結果次第で株価に大きな波乱が起こるだろう。