2006/7/24

  2006年7月24日(月)
  相場観。

(一)ニューヨーク市場。

(1)底抜けか、2番底入れか。相場は日米とも、正念場を迎えている。
(2)ニューヨーク市場はバーナンキFRB議長の金融政策に一喜一憂している。
(3)私はバーナンキ氏の金融政策に疑問を呈して来た。すなわちアメリカの消費者物価の上昇はアメリカ自身の景気過熱よりも、国際商品相場の暴騰が原因だから、いくら政策金利を引き上げてもインフレを抑制することはできない、と。
(4)果たして先週、ウォールストリート・ジャーナル紙が、バーナンキ氏は商品相場を見たことがないのではないかと痛烈に批判した。前FRB議長のグリーンスパン氏は相場の表裏を知り尽くしていたが、バーナンキ氏は学者だから金融市場の現場を知らないのだろうと述べた。もたつく株価にいらだってFRBに金融政策の転換を要求する意見が表面化しつつある。
(5)一方、ブッシュ内閣の新しい財務長官にゴールドマンサックスの会長がスカウトされた。ポールソン氏はブッシュ大統領と同じハーバードビジネススクールの出身で、国防総省、ホワイトハウスを経てゴールドマンに転じ、企業買収で辣腕を振るって会長兼CEOに就任した。
(6)先に、ゴールドマンの会長から財務長官に転じたルービン氏はドルと株価を高騰させて「強いアメリカ」を実現し、史上最強の財務大臣と評された。
(7)11月の中間選挙を控えて、ポールソン財務長官は必ず株価を刺激する政策を打ち出すだろう。

(二)東京市場。

(1)きわどいところで、2番底の可能性が出てきた。
(2)信用残の整理が進行した。
(3)高値の期日も最終段階を迎えた。
(4)暴落した新興市場でも、アストマックスやクラスターなど、新しい人気銘柄を模索する動きが見える。
(5)クラブ9の指標3銘柄は変わらない。

(三)ダイエー。

(1)ようやくダイエーが丸紅の手に落ちた。
(2)自力再建を主張した丸紅を押しのけて、再生機構が強引に介入したためにダイエーは貴重な資産を失い、無駄な時間を空費した。
(3)ダイエーは小泉・竹中改革の目玉となり、生け贄となり、政治に翻弄された。再生機構が選んだ経営陣は後ろ向きの経営に終始して再生も再建も果たせなかった。
(4)その間に小売業を取り巻く環境も変わった。イトーヨーカ堂は経営不振に陥ってセブンイレブンやそごうとの合併に活路を求めた。イオンも本体のスーパーは不振であり、コンビニエンスストアはそろって冬の時代を迎えた。
(5)その間に時代もまた資産デフレから資産インフレに一変した。時代が変われば経営者の評価も経営の手法も変わる。中内氏が構築したリクルートとローソンの株式や大量の不動産をたたき売りしなければ、今頃は銀行の金融支援を上回る含み益を構築していただろう。
(6)丸紅は再生機構から全株式を取得して44%の絶対的大株主となる。待望の本命がヒト、モノ、カネを投入して真剣勝負を挑む。
(7)私は、丸紅の真剣勝負に賭けたい。