(1)底抜けか、2番底入れか。相場は日米とも、正念場を迎えている。
(2)ニューヨーク市場はバーナンキFRB議長の金融政策に一喜一憂している。
(3)私はバーナンキ氏の金融政策に疑問を呈して来た。すなわちアメリカの消費者物価の上昇はアメリカ自身の景気過熱よりも、国際商品相場の暴騰が原因だから、いくら政策金利を引き上げてもインフレを抑制することはできない、と。
(4)果たして先週、ウォールストリート・ジャーナル紙が、バーナンキ氏は商品相場を見たことがないのではないかと痛烈に批判した。前FRB議長のグリーンスパン氏は相場の表裏を知り尽くしていたが、バーナンキ氏は学者だから金融市場の現場を知らないのだろうと述べた。もたつく株価にいらだってFRBに金融政策の転換を要求する意見が表面化しつつある。
(5)一方、ブッシュ内閣の新しい財務長官にゴールドマンサックスの会長がスカウトされた。ポールソン氏はブッシュ大統領と同じハーバードビジネススクールの出身で、国防総省、ホワイトハウスを経てゴールドマンに転じ、企業買収で辣腕を振るって会長兼CEOに就任した。
(6)先に、ゴールドマンの会長から財務長官に転じたルービン氏はドルと株価を高騰させて「強いアメリカ」を実現し、史上最強の財務大臣と評された。
(7)11月の中間選挙を控えて、ポールソン財務長官は必ず株価を刺激する政策を打ち出すだろう。