2006/4/3

  2006年4月3日(月)
  年間推奨三銘柄をフォローする。

(一)買収説が浮上した富山化学。

(1)4月1日付日経が富山化学買収説を報じた。真偽は不明であるが、私はさもありなんと感じた。
(2)超大型抗生物質ガレノキサシンの発売接近。鳥インフルエンザに有効な物質の開発。フェーズ1入りが近い経口抗リューマチ薬。フェーズ1の結果が待たれるアルツハイマー治療薬。など超大型新薬の開発が同時、並行して進行している。
(3)もし緑膿菌、鳥インフルエンザ、アルツハイマーに打ち勝つ新薬の開発に成功すれば、富山化学は間違いなく世界的な超高収益製薬会社に飛躍する。私は1年後に株価が居所を変えている可能性があると思い、今年の材料株のトップに上げた。
(4)ここへ来て株価が急騰したとはいえ、富山化学はまだ時価総額2000億円の弱小メーカーに過ぎない。もし私と同じ評価を下す資本家が出現すれば、買収への誘惑に駆られるだろう。
(5)現時点で最もTOBを仕掛ける可能性が高い企業は大正製薬だろう。
(6)大正製薬は利益剰余金5000億円を積み立てた超優良企業で、大衆薬から医科向けへ変身を急いでいる。すでに富山化学の22%を保有する筆頭株主で、新薬開発の進捗状況を誰よりも知りうる立場にいるから、敵対的買収を未然に阻止するためにTOBによって50%以上を確保しておく必要がある。
(7)他社が買収に乗り出した場合にも、大正製薬は白馬の騎士として防戦買いに打って出るだろう。
(8)もちろん現時点でのTOBはリスクが高いが、私はリスクをはるかに上回る魅力があると思う。
(9)例え買収説が虚報であっても、強弱感が激しく対立して仕手相場に発展する可能性がある。

(二)新値挑戦の住友金属鉱山。

CRB_GOLD_SUMITOMOKOU

(1)3つのチャートでシカゴ商品、ニューヨーク金、住友金属鉱山の連動性をチェックされたい。
(2)シカゴ商品指数は石油、穀物、非鉄、貴金属等、原材料全体の需給関係を反映しているから、中国、インド、ロシア、ブラジル等、人口超大国の高度成長の進捗状況に敏感に反応する。
(3)中でも石油相場が高値圏を維持する限り、オイルダラーの資金量は拡大し、世界的な株式投資の勢いは衰えない。
(4)日本の株価高騰を牽引しているのは、世界経済の拡大発展に支えられた外国人買いである。日本のエコノミストは官庁統計にしがみついて世界経済の構造変化を軽視するから、少なくとも過去3年間、彼らの弱気論は機関投資家をミスリードし、個人投資家にとっても百害あって一利もなかった。
(5)シカゴの商品相場やニューヨークの金相場は世界の景気をリアルタイムで反映する指標である。それゆえ、私は国際商品市況との連動性が高い住友金属鉱山を日本の株式相場の指標株に上げているのである。
(6)私が度々超割安と指摘した豊商事、第一商品等の商品関連株は、2〜3月の新興市場大暴落に逆行して暴騰を演じた。商品市場の拡大に加えて欧米で商品投信が急成長しており、日本でもメガバンクが商品会社を買収して商品投信を組成する可能性がある。
(7)大きく見れば金融市場で大膨張した世界のホットマネーは、90年代以降不動産投信を通して不動産市場に流入し、2000年代は商品投信を通して国際商品市場に流入している。金融市場は不動産と商品という実物資産を取り込んで拡大成長を続けているのである。
(8)その変化は常にアメリカで始まり、ヨーロッパを経て、日本が最後に追随するが、クラブ9は変化の兆候を誰よりも早期に指摘する先見性を誇りとしている。
(9)先週にも予想したとおり、ニューヨーク金は一挙に、大幅に高値を更新した。600ドル大台乗せは指呼の間で、住友金属鉱山の新値更新は必然だろう。

(三)新興市場の指標株、NIF SMBC。

(1)2〜3月には新興市場全体が暴落した。
(2)NIF SMBCも暴落の連鎖を免れる事ができなかったが、現在は反騰に転じるための足場をほぼ固めた。
(3)三井住友銀行が大和証券と並ぶ大株主となり、業績急上昇が必至となった。
(4)私は今週にも新興市場の反騰が本格化すると予想している。NIF SMBCの指標性が試されるときである。