2006/1/16

  2006年1月16日(月)

(一)ジム・ロジャーズの商品相場強気論。

(1)ジム・ロジャーズはジョージ・ソロスと共にクワンタムファンドを立ち上げて資産を4000倍に拡大した伝説の人である。独立してからも巨大資産を構築し、世界屈指の個人投資家となった。その精緻で透徹した分析力は昔も今も余人の追随を許さない。そのジム・ロジャーズが先週来日し、持論の商品大相場論を述べた。
(2)すなわち「商品相場の高騰は2017〜8年まで続く。石油は100ドルを超える。投資効率で商品相場は株式相場を圧倒する。」
(3)産油国にとって石油の原価はタダだから、採掘コストを10ドルとすれば時価60ドルで利益は50ドル、100ドルになれば利益は90ドルとなる。油井はまさしくアラビアンナイトの練金の壺となり、ドル札が1年、365日、24時間、束になって噴出し続ける。
(4)産油国は資源が枯渇する日に備えて未来の世代のための基金を設け、世界の株式や不動産や金に投資している。それゆえジム・ロジャーズのご託宣が正しければ、オイルマネーが生み出す巨大なマネーは今後12年間も世界中に再投資されて資産インフレの種をまき散らすことになる。
(5)12年間はともかく、私は人口超大国の台頭で少なくとも今後数年間商品相場の需給関係は逼迫すると述べて、強気論の根拠としてきた。
(6)私の強気論でさえも日本では少数意見だから、ジム・ロジャーズの主張が的中すれば、世界の株価や地価の高騰傾向はいかなる強気論をも上回るだろう。
(7)ジム・ロジャーズ著「商品の時代(原題Hot Commodities−商品相場が熱い)」を参照されたい。

(二)銘柄。

(1)今年の本命に上げた3銘柄のうち、NIF-SMBCと富山化学は順調そのものである。
(2)金相場は先週末に早くも550ドルの壁を突破し、25年ぶりの高値に躍進した。もう一つの推奨銘柄である住友金属鉱山も上昇トレンドが続くだろう。
(3)最後の再生機構銘柄であるダイエーも騰勢に拍車がかかってきた。時価3,900円を10対1の併合前の株価に換算すれば390円に過ぎない。他のいかなるスーパー、百貨店、量販店の株価よりも割安で、最後まで竹中大臣にいじめ抜かれただけに相場が若い。
(4)サイバード、T-ZONEHDが復活し、ミサワ、大正製薬、商品関連株等も順調に下値を切り上げている。
(5)阪急HDは予想通り株集めが表面化した。短期間に株価が2倍になったから目先は利食いも一策であるが、依然として資産内容と業態価値で日本の電鉄株中、最も魅力がある。
(6)中外鉱、クリーク&リバー、アライドHD調整が進んでいる。