2006/1/10

  2006年1月10日(火)

(一)2006年クラブ9の予想をチェック。

(1)昨年末、3回にわたり2006年相場を予想した。
(2)そのうち株高、円高は予想通りのスタートダッシュを示したが、国債安はまだ表面化していない。
(3)しかし株高、円高、国債安は一つのマネーの流れである。資産インフレが進行すれば景気が好転し、景気が好転すれば株式と不動産が循環的に上昇するが、同時に金利も上昇して国債相場が下落する。株式相場と国債相場は水と油で、同じ方向に向かう事はあり得ない。
(4)国債の暴落は6ヶ月以内に起こるだろう。ゼロ金利の解消は必然である。国債相場は一方通行となるから、下げ始めれば暴落となる。現在の1.5%利回りは、今後3〜5年間に歴史的な安定値である6%台を目指すだろう。
(5)日本の銀行、生保、年金、郵貯は巨額の日本国債を保有している。アメリカ国債は日本、中国等外国人が相場を支えているが、ゼロ金利政策下の日本国債を保有する外国人は皆無に近い。
(6)それゆえ外国人は日本国債を売り崩すタイミングを狙っているだろう。かつてジョージ・ソロスが英のポンドを一人で売り崩し、巨額の利益を得たように。
(7)特に銀行は竹中金融庁長官時代に株式や不動産等の実物資産を売って国債に乗り換えたから、国債暴落の被害を埋め合わせる手段が乏しい。私は国債相場の下落が始まれば、すぐに銀行株を売却するべきだと思う。
(8)郵貯も深刻な打撃を受けるが、年金と生保は株式から国債へ投資の重点を移しているから、又さきの致命的な打撃を受ける。
(9)小泉内閣は年金改革が次の最大の課題だとしながら、すでに失敗が明らかとなった投資、運用にふれていないのは奇怪である。

(二)金相場と株式相場。

(1)年末に、金相場は500ドル割れまで10%急落したから、私はすでに押し目を終了しただろうと指摘した。
(2)金投資は1対1の先物取引で変動している。先物取引の担保は10%だから、年末の10%急落課程で資金量の乏しい買い方が投げを強制された。それゆえ私は目先筋がふるい落とされて一気に整理が完了したのではないかと思ったのである。
(3)私は一貫して金相場は今回の世界的資産インフレの指標だと主張している。金は880ドルの史上最高値を更新すると思う。もし金相場が腰砕けとなれば、今回の資産インフレ相場そのものが腰砕けとなり、世界的な株高株も終わるだろう。
(4)住友金属鉱山を指標株と見る私の相場観の基本は金相場が上昇傾向を維持する限り、不変である。

(三)富山化学。

(1)新年早々、鮮烈な上昇相場を演じた。
(2)富山化学の相場観は、富山化学自身がホームページに開示している情報を信頼するかどうかにかかっている。クラブ9は富山化学や、ガレノキサシン(新型抗生物質T-3811)のライセンス供与先であるアメリカのシェリングブラウ社にその進捗状況を確認した上で、知り得た情報を紹介してきた。
(3)もしシェリングブラウ社が2月までにアメリカでFDAから製造認可を取得すれば、富山化学自身が発信する情報がすべて信任される。
(4)その時、ガレノキサシンに続く一連の大型有望新薬も又信任されるから、富山化学の評価は一変するだろう。
(5)富山化学は2002年6月に新型抗生物質を開発したという噂で831円の高値を記録したが、理想買いであったから、行って来いとなった。しかし先週はその高値を一挙に更新した。今回は現実買いだから大相場に発展する可能性が高い。
(6)主幹事の野村證券は無視しているが、三菱UFJ証券が1月5日付で富山化学を今年の年間注目銘柄に上げた。
(7)三菱UFJ証券だけがこれまで一貫して富山化学をフォローしており、そのレポートの要旨はクラブ9が伝えた情報と殆ど同じである。誰でも富山化学のホームページか、又は広報に問い合わせれば情報を確認する事ができる。
(8)人気は予想通り筆頭株主の大正製薬にも飛び火した。

(四)銘柄のフォロー。

(1)ダイエーは大相場に発展するだろう。残された唯一の不安材料は、3分の1を保有する再生機構がいつ持ち株を売り出すかという点にあった。しかし日経は年末に丸紅が買い取って70%超を保有する大株主になると報道した。売上高も増勢に転じた。ここからはすべてのマイナス材料がプラス材料に転換する。竹中大臣にいじめられた銘柄は皆数倍に暴騰した。そして最後に残されたダイエーの出番が今ついに到来した。
(2)サイバードは先週で期日売りがほぼ終了した。今年最大の成長分野はケータイである。物品販売から決済まで、これまでパソコンやカードが果たしてきた役割を殆どケータイが肩代わりする。高値奪還を目指すだろう。
(3)NIF-SMBCの有望ぶりは株価が証明している。
(4)商品関連株は軒並みに新高値に躍進した。それでも依然として理論株価は割安で、利回りも高い。時価総額があまりにも過小だから、人気化すれば大きい。