2005/12/5

  2005年12月5日(月)

(一)相場観。

(1)過去三週間、株価が堅調で人気銘柄が交代期を迎えており、個別銘柄が集中的、仕手的に買われるだろうと述べてきた。
(2)銘柄を直前に予想することができなかったが、安川電機、アーム、住友重機、小松、千代田化建など、過去に取り上げて、休養していた銘柄の中から、急騰株が輩出した。
(3)売買高、売買金額のスケールが大きいだけに人気株の価格帯が1,000円以上に及んでいる。3ケタから4ケタに急進する銘柄も増えるだろう。
(4)既報銘柄の中では、今期に大幅増収益が期待されるアライドの経過が順調である。
(5)過去に何回も奨めて不発に終わっていた豊商事、第一商品、岡藤商事等の商品株もついに上放れた。商品取引会社については別項で取り上げたい。
(6)直近の推奨では、住友金属鉱山、ミサワ、富山化学等の経過が順調である。
(7)不動産、鉄鋼、銀行の主力株も調整が一巡し、業績の持続力を確認すれば新春相場で活躍する可能性がある。

(二)金相場と住友金属鉱山。

(1)金は500ドル大台を抜いた。目標達成感よりも、かえって上昇力に弾みがつく可能性が高い。
(2)金は電子部品のメッキ等、工業的な需要も増えているが、有史以来世界人類共通の究極の財産であり、商品相場の中でも別格の地位を占めている。今回は特にインフレヘッジの指標として、880ドルの史上最高値を目指すだろう。
(3)住友金属鉱山が主力とする金、銅、ニッケルのチャートをひとまとめにした。今年はニッケルが持ち合いとなっているが、金と銅は新値追いを続けている。

(4)同社は保有鉱山で前々期に2兆円、前期に3兆円の含み益を開示していた。今期も含み益は確実に増加するだろう。
(5)時価総額7,000億円に対する3兆円以上の含み益は、買収という視点で見れば魅力があふれている。
(6)現実に、鉱山界では国際的な買収合併が急増しており、金鉱山ではパブリック・ゴールドがプレーサードームを92億ドル(1.1兆円)で買収交渉中、ニッケル鉱山ではインコがファルコンブリッジを110億ドル(1.3兆円)で買収に合意する等、買収金額は軽く1兆円を超えている。
(7)住友金属鉱山は住友グループの株式をも大量に保有しており、時価総額の5倍に達する含み益から見て、買収の対象となる条件を十二分に満たしている。
(8)株価は金相場と連動しやすいが、買収の声がかかれば急騰もあり得る。

(三)商品株。

(1)金の高騰を受けて商品市場の建て玉が急増し、商品取引株が先週ようやく持ち合いを上放れた。しかしそれでも極端に割安である。
(2)岡藤は1株当たり純資産1,645円に対して株価は789円で、純資産倍率は48%にすぎない。豊商事も純資産2,100円に対して株価1,480円、純資産倍率は0.7倍である。今どき不思議なくらい割安に放置されている。
(3)時価総額もまた岡藤79億円、豊66億円で、店頭株の中でも小粒である。
(4)割安株を見落とさない目利きの竹田和平氏が、当然のように豊商事と第一商品の大株主に登場している。
(5)株価の割安は経営手法の古さに由来しているが、今や欧米の金融市場では商品投信が人気を集めている。かつての証券会社も株式投信をテコに経営を近代化した。
(6)商品会社の経営が近代化し、大手金融グループに組み込まれる時が近いだろう。