2005/11/14

  2005年11月14日(月)

(一)相場観。

(1)株式市場の資金量が急速に減少するとは考えにくい。
(2)しかし、人気銘柄の交代が起こる兆候はある。
(3)第1に、例えば住金、三菱自動車等が人気を維持するためには、出来高が更に増える必要がある。もし1銘柄に1日5億株の出来高が集中しなくなれば、目先天井形成もある。
(4)第2に、不動産、銀行、鉄鋼等の人気業種、人気銘柄も、好業績、好材料が周知の事実となり、多数意見となった。
(5)ただし買い方に勢いがあり、市場のエネルギーが強いから、相場は一段と投機性を強めるだろう。鮮度の高い仕手株の登場に注目したい。
(6)新興市場、小型株から人気銘柄が生まれる可能性がある。

(二)クラブ9の投資原則。

(1)クラブ9は、冒頭に次の2つの投資原則を掲げている。第1条。相場の世界では少数意見が勝つ。第2条、相場とは少数意見が多数意見に変わる課程である。
(2)私は2箇条を常に念頭に置いて実践し、(一)の銘柄の交代論もその投資原則に基づいて記載した。
(3)日経は11月13日付けで、過去10年間に額面割れから大復活した銘柄の上位20社を掲げている。このうち次に7銘柄を、クラブ9は底値圏で発掘し、奨めた。カッコ内は値上がり倍率である。
(4)熊谷組<56>。千代田化工建設<50>。長谷工<31>。藤和不動産<29>。大京<21>。住友重機<11>。住金<11>。
(5)特に住金は額面割れで繰り返し推奨し、過去3年間の推奨回数がもっとも多い。
(6)これらは皆極端な少数意見から大逆転し、出来高が激増して、多数意見に変わった。
(7)相場は爛熟したときが一番おいしい。しかし爛熟して圧倒的な多数意見となれば、材料出尽くしとなる。
(8)「まんじゅうは食いたいが、まんじゅうは怖い」が投資家の永遠の悩みである。

(三)銘柄。

(1)NIF SMBC(8458)。三井住友銀行系ベンチャーキャピタルと合併して、社名をNIFからNIF SMBCに変更した。三井住友グループの全面的支援を受けてライバルのジャフコに追いつき、追い越す可能性がある。
(2)サイバード(4823)。第4位の大株主オムロンの保有株がゴールドマンサックス等に移動。大口売りは一巡か。無借金の財務体質に加えて、北米で買収した携帯コンテンツ会社や大株主となったリクルートとの提携内容がこれから具体化する。インターネット情報、販売、決済の主戦場がパソコンからモバイルに移行。サイバードも広告事業立ち上げで、株価底入れか。
(3)スパークス(8739)。9月中間決算が期待はずれであった割に、株価は高値圏を維持している。資金量の急増が続いており、下期決算の大幅増益期待が残る。ただし目先は調整か。
(4)IMV(7760)。今年の5月に新規上場したが、寄りつき天井となった。しかし業績好調で、割安が鮮明。
(5)MISAWA(1722)。先週末に子会社群のストップ高に引っぱられて急進した。親会社のトヨタは世界1に躍進したが、GMを倒産の瀬戸際に追いつめて、自動車市場における成長に限界が見えた。トヨタの今後の活路は住宅産業にある。ミサワへの全面的支援が本格化するだろう。

(四)金相場。

(1)金相場はドル高に対する抵抗力を強めてきた。480ドルの高値更新まであと10ドルと迫っている。
(2)金は石油に代わり、商品市場の主役に浮上する可能性がある。
(3)金相場が480ドルを抜けば、住友金属鉱山と中外鉱業の高値更新が期待できる。