2005/2/21

  2005年2月21日(月)

(一)ニッポン放送買収に関する私見。

(1)政治家、評論家が驚くべき無知を暴露した。
(2)昨年、株主総会の招集権の大幅緩和や株券による買収を可能にする商法改正を行い、企業買収を容易にしたのは政治家自身である。
(3)一方、金融庁は銀行の持ち株を制限し、全上場株の22%から7%に激減させた。
(4)竹中大臣が金融庁顧問に招いた木村剛は借金の多い企業を片端から不良債権と断定し、つぶせと主張した。その結果、すべての上場企業は借金の返済に走り、保合株式を一斉に売却した。
(5)このために年々安定株主が急減し、浮動株が急増して、株価が急落した。
(6)暴落した株式は、金融機関や事業会社から外国人の手に渡り、外国人の持ち株比率は2年前に20%を突破し、現在では25%に達したと推定される。
(7)しかも個別銘柄では外国人株主が50%を超える企業も少なくない。
(8)かくして日本の企業買収を容易にし、外国資本の草刈り場にしたのは政治家である。
(9)しかるに、今頃になって政治家がライブドアの買収を非難するのは本末転倒、責任転嫁で、評論家の買収批判も勉強不足、時代錯誤である。
(10)私が終始一貫主張しているように企業買収の嵐はもはや止めようがない。
(11)株主軽視のサラリーマン社長が買収を非難するのは筋違いである。
(12)金融機関や薬品業界では経営者が進んで大合併を推進し、外資の買収に備えている。これに比べればフジテレビの日枝社長は2年間も村上ファンドの買収にさらされながら、何ら対策を講じなかった。社長失格といわざるを得ない。

(二)スパークス投資顧問の増資と分割について。

(1)増資と分割を発表して株価が反落している。(分割の評価については2月15日付、Q&A「株式分割について」参照。)
(2)新興市場全体の調整期入りに引っ張られた面もある。
(3)私のスパークスに対する強気は不変である。
(4)スパークスの増資はアジア市場進出のための資金調達で、新たな成長への足がかりとなる。
(5)株価操作が入りやすい転換社債ではなく、時価発行増資である。新株の消化には外国人投資家を含む安定工作に自信があると推定される。
(6)先に私はスパークスを日本株強気派の指標株と述べたが、今回の増資をテコとする新たな資金運用によって、アジア株強気派の指標株という側面を持つだろう。